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【黙祷】中学生時代にであったぼくらのシリーズを思い出す~宗田理先生が死去

小学生時代にはまった小説は「ズッコケ三人組
しかし、中学生時代は「ぼくらのシリーズ」だった。ある日、遊びに行ったK君の家で「ぼくらの大脱走」を見つけて借りたことがきっかけ。

一気に引き込まれた。その後は「ぼくらの七日間戦争」からすべて読み、新刊の発売日を心待ちにしたものだ。
そして東京の地図を見ながら、作品内に記述される地形や駅名のイニシャルを見ながら「ぼくら~」の舞台を探したものだ。
(ちなみに北千住駅と判断した)

気が付いたら英治や相原の年齢を遥かに超えたオトナになってしまった。多分、矢場さんよりも年上になっただろう。
しかしあの頃に読んで感じた興奮は昨日のことのよう。
10代の良き思い出。

ご冥福をお祈りします。

 

 

 

作家・宗田理さん肺炎で死去 95歳「ぼくらの七日間戦争」 3月「ぼくら」シリーズ最新刊発売したばかり(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

【書籍】「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 ~ そこに互いへの信頼と敬意があるのか?

「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽

 

<所感>

イスラム研究者の著者が「アラブの春」にあった2011-2015年のエジプト生活にもとづくエッセイ。

しかし、たんなるエッセイではなくイスラム研究に対するエスノグラフィーの要素も満載。

特にイスラム教に対する論考は他のイスラム研究者とは確実に一線を画す視点であり、とても現実的。

 

宗教論は思想信条の自由と言う絶対的な御旗の元で論じられなくはいけない。

決してどちらかを否定するものではなく、異教徒の関わりで重要なことは互いへの信頼と敬意という。

(もちろん、いくら思想の自由があるとはいえ、犯罪行為はNG)

 

そして女性である著者はエジプト生活経験やコーランの規定から、イスラム教の女性に対する見解を述べる。

経典は不変であり絶対。これが宗教である。

そのロジックを例えば日本に持ち込むとどうなるか?そのロジックを受け入れることをが多様性の尊重なのか?

この問いかけはとても重要。

多様性至上主義に立脚するとなんでも受け入れろ、の立場になるのだろうが、そこに信頼と敬意があるのだろうか。

そして逆の立場になれば相手はこちらのロジックを受け入れるのだろうか。

さらにいうと他文化交流や外交においては相互主義が原則であるが、それはあくまでも十分条件であるはず。

 

そんなことを考えさせられる良書。

 

 

 

 

<目次>

1 娘と親友とサラフィー運転手

2 ピラミッドを破壊せよ

3 頭上注意

4 バット餅

5 出エジプト

6 髪を隠す人、顔を隠す人

7 ファラオの呪い

8 エジプトのアルカイダ

9 牛の腹

10 ふたつの革命

【書籍】「ザイム真理教」森永卓郎 ~ 日本における肥大化した権力構造の最大の弊害

「ザイム真理教 - それは信者8000万人の巨大カルト」森永卓郎

 

<所感>

ザイム真理教、それは財政均衡主義を経典とする財務省の権力構造である。

経典に意義唱えることはご法度。そのために日本国民が貧しくなったとしても、だ。

この代表例が「国民一人当たりのXXX百万円の借金」というフレーズ。

誰でも一度は聞いたことがあるフレーズ。

しかし落ち着いて考えるとここにはバランスシート(BS)の観点が欠如している。

 

King of 省庁である財務省はその権力があまりに大きい。

予算(金)を集める、配分する。これを一手に束ねている。

そして、外局には国税庁をもつので、小さな瑕疵であっても「脱税調査!」という御旗を掲げて強制調査が可能。

こうなると国会議員は太刀打ちできない。

 

さてどうするか。

「課題の解決には構造で対応」とはよく言ったものである。

まずは義務教育で簿記3級は必須にするのは手じゃないだたろうか。

複式簿記はBSがマスト(あとはPL、キャッシュフロー)。

国の借金ガーというフレーズはBS視点で見るとBS右側のごく一部を見ているに過ぎない。

木を見て森を見ず状態。

国益を損ない国民を蔑ろにする官僚が一番の負債であるはずだ。

 

 

ザイム真理教

ザイム真理教

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<目次>

第1章 ザイム真理教の誕生

第2章 宗教とカルトの違い

第3章 事実と異なる神話を作る

第4章 アベノミクスはなぜ失敗したのか

第5章 信者の人権と生活を破壊する

第6章 教祖と幹部の豪華な生活

第7章 強力サポーターと親衛隊

第8章 岸田政権は財務省の傀儡となった

【書籍】ネトゲ戦記」暇空 茜 ~ 裁判官が決めたことが正しいことである

ネトゲ戦記」暇空 茜

 

<所感>

発刊前にウエブで公開されていたブログを書籍化した本。

ブログ時代にも読んだが改めて購入。

 

メインは第3部。2部を前提とした話はあるが裁判とは何か?を学ぶことができる。

(ゲーマじゃなければ1部はスルー推奨)

 

結論「裁判とは裁判官わからせゲーム」

つまり決して正しいことが認められる場ではな。裁判官が正しいと思ったことが正となる。

そんなゲームであると。

著者はその観点に立脚して裁判を戦い抜き(もちろん弁護士とともにだが)、そして最高裁で得るものを得る。

そんなゲームのノンフィクション小説。

しかし途中で裁判関連の書面がでてくるが文字が小さくて読みにくい。この点を改善してほしかった。

 

裁判はその結果もさることながら、それまでに費やすエネルギーが膨大。

裁判と無関係の人生がいいなあと痛感する。

 

 

 

<目次>

第1部 ネトゲ

第2部 起業編

第3部 裁判編

【書籍】「本当に欲しかったものは、もう~Twitter文学アンソロジー」~ 隣と比べてしまう

「本当に欲しかったものは、もう~Twitter文学アンソロジー

 

<所感>

そういえばガラケー時代にはケータイ小説と呼ばれたジャンルがあった気がする。

といってもその内容はよくしらないのだけれでも。

時を経て、いまはTwitter文学。

(どうでもいいがX(エックス)になってもTwitter知名度バツグンだなあ。元に戻せばいいのに)

 

Twitter文学は140文字が1パラグラフで構成されている。

ただそんな文章構成の特徴なさておき、本作の根底にあるのはSNSの特性から紐づくものだろう。

それは承認欲求への嫉妬と自虐。

 

この作品には一流大学卒、一流企業、タワマン、SAPIXが幾度もでてくる。

まるでそれが成功の証のように。

そして時には自分がそうなっていることを自尊し、逆にそんな他人を見て嫉妬する。

 

自分の誰かが幸せになっていることが妬ましい。

でも実はそんな自分は嫌なのだ。

でもなぜかそう感じてしまう。

他人が目に入るから、比べてしまうから、比べざるを得ないから。

 

自分の視線は自分を見るために使いたいもの。

 

 

 

 

<著者>

麻布競馬場 @63cities

霞が関バイオレット @NEOKASUMI_No1

かとうゆうか @plasticat_y

木爾チレン @1000ve

新庄耕 @shinjo_kou

外山薫 @kaoruroman

豊洲銀行 網走支店 @toyosubk88

pho @ohp_pho

窓際三等兵 @nekogal21

山下素童 @sirotodotei

【書籍】「狭小邸宅」新庄耕 ~ 仕事、仕事の青春小説

「狭小邸宅」新庄耕

 

<所感>

戸建て住宅販売員の若者を書いた小説。

前半は結果を出せない自分と克明すぎるそのブラック企業ぶりの描写が印象的。

後半は実績がついてくるが何か満たされないという葛藤が見事に行間に表現されている。

 

なんのために仕事をするのか。

年月を重ねるとそれすら思わなくなることもある。

そう考えるとそんな自問自答は若さゆえのかもしれない。

きっと自分には他の可能性があるからそう感じるのかもしれない。

 

仕事でどんなに結果を出しても不安がある。

仕事以外の世界が無いと思うからそう考えてしまうのだろう。

 

 

 

 

 

 

【書籍】「わが投資術 市場は誰に微笑むか」清原達郎 ~ 健康はプライスレス

「わが投資術 市場は誰に微笑むか」清原達郎

 

<所感>

個人資産800億円の伝説的サラリーマントレーダー。

投資のアドバイスもあるがちりばめられた人生訓の読み物として読んでも面白い。

そして本文はですます調の敬体で書かれているが、時折、「でしたかねえ。」と口語がでてくる。

このせいか全体的に柔らかい印象となっている。

 

投資のアドバイスもあるが、投資初心者は「8章 やってはいけない投資」が重要だろう。

ここでは一発目に「ESG投資はナンセンス」と言い切っている。

このスタンスは激しく同意する。

ともあれ、何をするかよりも、何をしないかが大事とはよく言ったものだ。

 

ちなみに著者は咽頭ガンで声を失っている。いくら資産があっても声は欲しい。

やっぱり健康第一である事に気が付く。

 

なお、本書で書かれている投資のアドバイスは以下の通り。

・対象は小型株。PER、PBR割安。

・ネットキャッシュ比率*0.6倍以上。

 ネットキャッシュ比率=(流動資産+投資有価証券 x 70% - 負債)÷時価総額

・3~5年で2倍を狙う→これができたら苦労しない・・・

 

 

 

 

<目次>

第1章 市場はあなたを見捨てない

第2章 ヘッジファンドへの長い道のり

第3章 「割安小型成長株」の破壊力

第4章 地獄の沙汰は持株次第──25年間の軌跡

第5章 REIT──落ちてくるナイフを2度つかむ

第6章 実践のハイライト──ロング

第7章 実践のハイライト──ショート・ペアートレード

第8章 やってはいけない投資

第9章 これからの日本株市場