<所感>
スポーツ観戦記でさえも「三島文学」となることが新鮮であり驚愕する。
三島作品は10代に読み漁ったが、その時に感じた華美ではないが美しい修飾句が散りばめられている。
肉体的コンプレックスの払拭のために三島がボディビルに傾倒していたことは知っていたが、剣道にも手を出していたことは知らなかった。
精神と肉体の両立は三島の人生の大きなテーマではあり、その思いは深淵ではある。しかし個人的にも体を鍛えること・トレーニングをすることの重要性は感じる。
脳科学的にも運動の重要性は確認されている。
最終章の「太陽と鉄」は「仮面の告白」のような性質をもつ作品。三島が自己を俯瞰的に省みて批評し、文章に落とし込む。それがどうしてこうまでに心に突き刺さるのだろうか。
<内容>
Ⅰ 東京オリンピックの観戦記
Ⅱ ボディビルや剣道などのスポーツについて
Ⅲ 主にボクシングの観戦記
Ⅳ 「太陽と鉄」