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【書籍】「リーダーの戦い方―最強の経営者は「自分解」で勝負する」内田和成

「リーダーの戦い方―最強の経営者は「自分解」で勝負する」内田和成

 

<所感>

キャリア面談等でどんなマネージャーになりたいか、自分のマネジメント像はなにか、を考える参考になる。

(マネージャーとリーダーの違いについては割愛)

 

大前提:リーダーシップには正解がない

重要1:3つのリーダーを混同しない(尊敬するリーダー、その人の下で働きたいと思えるリーダー、自分のリーダー像)

重要2:コントロールできないこと(環境要因)、コントロールできること(戦略変数)は違う

 

特に環境要因として、組織が置かれた状況/組織の癖/自分が置かれた状況/自分の特性はまず見ないといけない。

コントロールできないことをどうにかしようとしても仕方ないのである。

その代わり、コントロールできる戦略変数(What:何をするか、How:どのように実行するか)を考えることにエネルギーを使わないといけない。

 

なお、本書のは個々人の特性と事業環境を理解して、自分のリーダーシップが発揮できるようにしようといいつつ、それ以上に大事な点として「運」をあげている。

それを言っちゃあお終い!と言いたいが、しばし社会人をやっているとこれは世の中の真実と思うこともしばしば。

 

<目次>

第1章 リーダーシップに正解はない

第2章 できることと、できないことを区別する

第3章 得意技を知る―最も得意な戦い方はどれか?

第4章 ジレンマを乗り越える

第5章 答えのない時代だからこそ求められるもの

【書籍】「自衛隊最高幹部が語る台湾有事」岩田 清文/武居 智久/尾上 定正/兼原 信克

自衛隊最高幹部が語る台湾有事」岩田 清文/武居 智久/尾上 定正/兼原 信克

 

<所感>

自衛隊の元最高幹部が台湾有事を想定して現実的なシミュレーションを実施。

映画「シン・ゴジラ」では日本の危機管理における意思決定プロセスの脆弱さがシニカルに表現されていた。

一方、本書ではもっとリアルな有事においてせまられる決断が生々しく書かれている。

戦後77年。8月15日に向けて毎年、あの戦争について語られる。

実体験者が少なくなるなかで、その人の証言は貴重だろうが、視点が一方的な面があることは否めない。

戦争の悲惨さと平和の大切さを願うだけでいいのだろうか。

 

本書のようなシミュレーションを踏まえて、実際には何をするか、しないといけないか。

そんな議論と行動がされないといけないだろう。

 

なお、後半では「有事の際には、尖閣、先島、台湾の3正面への対応が求められる。しかし、はっきりいって海上自衛隊は3正面に同時に対応できる能力はない」と書かれている。

本書は2011年11月の時点の内容なので、ロシアのウクライナ侵攻は考慮されていない。

となると有事の際にはさらに北方領土や北海道への対応も追加となり、4正面への対応が必要となる可能性が極めて高い。

では何が必要か。答えは見えている。見えているのに動かないのは何故か。

それこそが本当の有事と言える。

 

あ、あとあっち側の方々は、取り急ぎ憲法9条の条文を掲げて4正面の最前線に向かってくださいね。

 

<目次>

第1部 台湾有事シミュレーション

第2部 座談会―台湾有事の備えに、必要なものはなにか

【投資】つみたてNISAをチェック。開始してまだ1年6か月だが。

つみたてNISAの現状とメモ
金額:毎月33,333円
期間:21年3月から(現在、1年6か月目)
投資信託:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
評価損益:+56,135円(+8.90%)
今年の上半期は米国株市場がダメダメで、22年2月時点でPF:+1.95%となり評価損一歩手前。
しかしただただ継続。
毎月33,333円の積み立てを20年継続した場合は積み立て金額合計が約800万円。
そして運用益の皮算用はこんな感じ。
①想定利回り(年率):8%→1,163万円
②想定利回り(年率):5%→570万円
③想定利回り(年率):3%→294万円
④想定利回り(年率):0.002%→159万円
ちなみに某メガバンのスーパー定期の利息が0.002%。。
20年後に向けていつやるの?いまで(略)
 

【書籍】「厚生省 - 劣化する巨大官庁」鈴木譲

「厚生省 - 劣化する巨大官庁」鈴木譲

 

<所感>

厚生省はその担当範囲が医療、介護、年金、雇用など多岐にわたる。いや、多岐にわたり過ぎである。

そして広範囲である以上に国民に直結しすぎる内容ゆえに、選挙を念頭においた政治家の意向が強く反映し制度が複雑怪奇となっている。

 

重要なことは年金であれ医療保険であれ負担能力のある人が負担するという前提に立つことだろう。

年齢で区切ることをやめないと。

既に世代間格差が露呈している今、全世代が「社会制度維持のために」を優先することが先決。

「高齢者に優しい制度」は聞き覚えがよいだけの掛け声であり、若者世代切り捨てである。

 

一方で、若手官僚は激務に走らされる。国会議員の質疑対策がその代表例。

その視点で危惧するのは、レベルが高い学生(&若者)が国家公務員を忌避するのではないかという点。

どんな組織も次世代の人材確保は不可欠。まして、それが国家に関することならば特に。

若手官僚のみなさま、お疲れさまです。

 

<目次>

第1章 歴史は繰り返す

第2章 使うカネも組織も巨大

第3章 政策はどう決まる

第4章 史上最長政権と厚労省

第5章 なくならない不祥事

第6章 人生を支える社会保障制度

 

【書籍】日本沈没を食い止めろ!硬直化した政治を変えるための改革

日本沈没を食い止めろ!硬直化した政治を変えるための改革」音喜多 駿、永江 一石、中谷 一馬、藤末 健三

 

<所感>

「政治を変える」「政治家を変える」と威勢のいい声を上げても何も変わらないと思っている人は多い。

現にそうかのかもしれないが、なぜか?そん理由の一端を垣間見ることができる本。

 

自分もそうだが、国民はもっと永田町での当り前を知る必要がある。

例えば議員立法という言葉。「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」(憲法第四十一条)とあるので、国会議員こそが法律を作ることができる。逆に言うと法律を作れないならば国会議員失格となる。

 

ただし、法律は立案しても国会を通らないと法律でもなんでもない。

法律を通すために、与党の自民党は党内審議のプロセスを「法案作成→部会→政調審議会→総務会」として、国会審議に耐える法案をつくる。

このプロセスにもデメリットはあるが、少なくとも現実的に法律ができるプロセスであること見逃せない。

 

本書は元東京都都議で現在、維新の参議院議員の音喜多氏がメインスピーカーとして語っており、党としてのポジショントークはあるが、それでも国会の実情を国民目線で分かりやすい。

ちなみに、そんな音喜多氏に最後に藤末 健三(本書発刊時は自民党参議院議員)が「誰かが動かないといけないかが野党にいても何もできない。だから自民党に来た」という言い切った点が本書のクライマックス。

 

<目次>

第1章 日本の一大事に政治家は何をしているのか

第2章 少子高齢化先進国 日本の未来を考える

第3章 政治を変えなければ日本の未来はない

【書籍】「中東問題再考」飯山陽

「中東問題再考」飯山陽

 

<所感>

日本のメディアや「専門家」の見識や解説がいかに偏っているかを鋭く指摘。

 

本書よりからの抜粋(意訳)

イランの親日やトルコの親日は過去の歴史的事実に基づくノスタルジーであって、両国は親中が現在進行形。

親日要素があってもそれ以上に親中である点に留意すべし。

 

「専門家」からは反論もあるだろうが、イスラム教の国トルコが大多数がイスラムウイグル人のジェノサイドに声を上げない(=中国国内の内政干渉と位置付けている)のは親中の賜物である。

 

中東はほとんどの日本人にとっては馴染みがなく、イメージ先行の地域。

そしてそのイメージはメディアや「専門家」のフィルターを通ったもの。

本書を通してフィルターの点検を行いたい。

 

<目次>

第1章 アフガニスタン報道が隠すタリバンの本性

第2章 「イランは親日」言説が覆い隠すイランの現実

第3章 「トルコは親日」言説が覆い隠すトルコの現実

第4章 なぜイスラム諸国は中国のウイグル人迫害に声を上げないのか

第5章 「パレスチナ=善、イスラエル=悪」の先入観が隠す事実

第6章 中東問題をわかりにくくしてきた七つの原因

【雑誌】月刊Hanada2022年9月号「安倍晋三元総理 追悼大特集号」

月刊Hanada2022年9月号「安倍晋三元総理 追悼大特集号」

 

いつもは赤色背景に白文字で雑誌名が書かれているが、本号は背景が黒色。

雑誌全体が喪に服している。なんとも悲しい。

 

特筆すべきは本書(雑誌なので本誌か)宛ての書かれた安倍総理の一文。

これは自民党のHPに日本語と英語で掲載すべきでは?と感じる内容。

自民党員でない自分もそう感じるくらい、世界のリーダーとなった安倍総理の考えがしっかりとまとまっている。

(某国や某政党からの反発は必至だが、それは無視)

 

菅義偉の独占手記「もう一度、会って話しがしたいですね…」

通産大臣 深谷隆司「(7月10日安倍総理の自宅の弔問した際に明恵夫人が見送り時に)エレベーターのボタンを押しながら「これから一人ぼっちになってしまった」といかにも寂しげでした」

 

また錚々たるメンバーの追悼文は涙なしには読めない。

そして人の本当の価値は亡くなったときにどれだけの人が悲しんだか、と言われるがその意味を再確認せざるを得ない。

 

なお、本書の発刊後、犯人は宗教問題が犯行理由と主張し、政治と宗教がメディアを賑わせている。

それはそれで問題があるだろうが、どんな理由があるにせよ今回の暗殺に情状酌量が検討されるものではない。

(教団幹部を殺害したのならばまだしも)

 

そして、世界のリーダーとなった元総理という重要人物が簡単に銃殺された点については警備体制を含めた検証が進められないといけないだろう。何よりも本件ではまだ誰も責任と取っていない。