投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

【書籍】「破獄」吉村昭

「破獄」吉村昭 <所感> 破獄…囚人が牢獄を破って脱走すること。牢破り。脱獄 網走刑務所を含む4回の脱獄を実行した無期刑囚(佐久間)をモデルにした小説。 刑務所ごとに佐久間への接し方は変化し、その結果、佐久間とその関係者の心境なとても丁寧に書か…

【書籍】「高熱隧道」吉村昭

「高熱隧道」吉村昭 <所感> 隧道(すいどう)…トンネル。「ずいどう」とも言う。 現・関西電力の黒部川第三発電所の水路トンネル完成に至る工事における苦難を書いた小説。 苦難の最大の原因は現場が山奥にあるではない。 トンネルの建設現場に高熱の断層…

【書籍】「モスクワよ、さらば―ココム違反事件の背景」熊谷独

「モスクワよ、さらば―ココム違反事件の背景」熊谷独 <所感> ココム違反事件・・・1980年代に東芝機械ココム違反事件。ココム(対共産圏輸出統制委員会)の規則に違反した工作機械をソビエトに輸出した事件。 この工作機械によりソビエトの潜水艦技術が向…

【書籍】「ビジネス戦略から読む美術史」西岡 文彦

「ビジネス戦略から読む美術史」西岡 文彦 <所感> よく考えると当り前だが商品として市場価値があがるためは流動性が必須。 絵画という美術品が商品になるためのポイントは「キャンパス」という画材の誕生だったという指摘は納得。 キャンパスに書かれて持…

【書籍】「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星

「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星 <所感> 1960年代に北朝鮮への帰国運動が進められていた。そんな時代が始まる1960年に総連幹部だった著者が見た実態を書く。 帰国事業の大前提は、北朝鮮共和国(←当時はこれ)という新しい国を造るために同…

【書籍】「アジアの隼」黒木亮

「アジアの隼」黒木亮 <所感> ベトナムの火力発電所の入札をめぐる金融戦争。 日本長期債権銀行のベトナム事務所駐在の主人公が必死になって入札案件を取りにまい進する。ある仕事にそこまで打ち込めるというのは、苦労はさておき、羨ましさを覚える。 本…

【書籍】「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」黒木亮

「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」黒木亮 <所感> 国際協調融資の主幹事(→主幹事は左上に書かれるのでトップ・レフトと言われる)をめぐるビジネス小説。 米国投資銀行と本邦銀行のスタンスの違いがとても対比的。 言うまでもなく米国投資銀行は利…

【書籍】「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太

「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太 <所感> 大正期の作家(藤澤清造)を病的に愛する主人公(著者)の生活、それは貧しさと酒とDVによって構成される。 女に手を出しながら、復縁を懇願し土下座をする。しかしまた手を上げる。 自堕落の極みと言える生活を…

【書籍】「ロケット・ササキ - ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」大西康之

「ロケット・ササキ - ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」大西康之 <所感> ジョブズ亡き今、孫正義の生みの親と評することができる日本の偉人。早川電機(現:シャープ)出身。 本書を通じて伝わってくるのは佐々木氏の圧倒的な行動力。 人と…

【書籍】「変な絵」雨穴

「変な絵」雨穴 <所感> ミステリークリエイター&You tuberの穴雨氏による書籍。「変な家」に続く「変なシリーズ」となるのだろうか。 「変な家」では伏線が多すぎて複雑になった感があったが、今作ではその点が解消。読みやすい。 絵という視覚を通じたミ…

【雑記】虎ノ門ニュースという番組が終わった

今更だが11/18が最終回となった DHCテレビの虎ノ門ニュース終了は残念だった。 既存メディアがタブーとしてきたことはどこかの誰かの意図の反映であったことがわかる。 その意味で保守系ではなく当たり前のことを当たり前に発信したメディアと言えた。 自分…

【書籍】「不安ノ解体」青山繫晴

「不安ノ解体」青山繫晴 <所感> 国会議員は、「公約を掲げても選挙が受かれば何もしない」「料亭で会食」「裏金」というマイナスのイメージしかない。こんな人は多いと思う。 また、個人的には、一部の議員の国会質疑はマスコミで見るが、報道機関おバイア…

【雑記】今年はHanesのビーフィーTシャツで乗り切る

今年は7月にヘインズのビーフィー Tシャツ(白2枚)を購入。 基本的には日中はこれを着ていた。特に8~10月はほぼ毎日。 汗をかいて1日のうちに着替えることもしばしば。 感想: ・2枚ローテーションのせいか、5か月たってもほぼくたりなし。凄い。 ・しかし…

【書籍】「私の1960年代」山本 義隆

「私の1960年代」山本 義隆 <所感> 1990年の後半に駿台予備校 お茶の水校3号館で浪人時代を過ごした。 物理の講師はいつもシャツを古びれジーンズにタックインしている人だった。 その浪人時代の最後の授業のときその人はこういった。 「大学に入ったらあ…

【雑記】化石賞とは

「化石賞」に日本 環境NGOが発表 “気候変動対策に消極的” https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221110/k10013886821000.html 日本が化石賞なる賞を受賞。しかし3回連続らしい。 化石賞は「気候行動ネットワーク(CAN)」という環境NGOが制定した賞。 その時…

【雑記】安倍晋三元首相に対する追悼演説や弔辞、追悼の辞に胸を打たれる

10/25に衆院本会議で立憲民主党の野田佳彦元首相によって安倍晋三元首相に対する追悼演説が行われた。 名文。泣ける。そして政治家としての本文が表れていたことがとても印象的だった。 「私は、生前のあなたと、政治的な立場を同じくするものではありません…

【雑記】いつかは100マイルレースを完走したい

いつかはどこかの100マイルレースを完走したいと思っている。 そして今年の1月には「いつか、どこか」ではなく時期は2023年になんとか完走できそうというという意味でUTMFがベストだなとぼんやりと考えていた。 しかし、ぼんやりし過ぎていた。 そもそも2023…

【書籍】「憲法学の病」篠田英朗

「憲法学の病」篠田英朗 <所感> 良書中の良書。 問題の原因を都合の良い解釈をして論理(らしきもの)を展開し、自説を肯定するのは詭弁の論法の一つ(これはストローマン論法)であるが、これが日本の憲法学の大本にあることを丁寧に指摘し、説明している…

【書籍】「あつかったらぬげばいい」ヨシタケ シンスケ

「あつかったらぬげばいい」ヨシタケ シンスケ <所感> あるべき姿と現在の状態のギャップが課題。その差を埋めることがやるべきこと。 それがわかれば目標に向かってアクション。もちろん、PCDAサイクルを回してナンボ! 目標は達成するもの。できない理由…

【書籍】「イノベーションの競争戦略」内田和成 編著

「イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→(生み出す)1か?横取りか?」内田和成 編著 <所感> イノベーションの誤認と再定義をしっかりと言語化してくれる本。 イノベーションは技術革新ではなく、顧客の行動を変えることだという。 先行する…

【書籍】「中国共産党暗黒の百年史」石平

「中国共産党暗黒の百年史」石平 <所感> 百年史である。つまり古くてもたったの100年前。 随分と過去の歴史というよりもついさきほどの出来事。そして何よりも現在進行形なことも多い。 どちらが酷いかという比較論に決してなってはいけないが、ナチスのユ…

【雑記】人生で初めての献花をした日 - 安倍晋三さんの国葬儀 -

人生初の献花は、民主プロセスを経へ長きにわたり日本の政権を率いてテロの凶弾に倒れた安倍晋三のためとなった。 一般献花には並ぶ余裕がないので、自民党本部で献花し、合掌。 献花後に九段下に移動した。 ノイジーマイノリティーとサイレントマジョリティ…

【信越五岳110k 振り返り その4:振り返りと次に向けて】

1)良かった点 腰にライトはとても便利。(マイルストーン ヘッドランプ MS-G2を腰につけただけ) 水分補給の重要性をわかっていたこと。ハイドレよりボトルが便利。 坂ジョグのトレーニングは効果的だったと思われる。 2)改善点 とにかくコースチェック…

【雑記】2022 信越五岳110kを振り返る③:レース内容(笹ヶ峰グリーンハウス~ゴール手前)

【信越五岳110k 振り返り その3:笹ヶ峰グリーンハウス~最後】 5)笹ヶ峰グリーンハウス~大橋林道(16km、区間タイム3’34)、76km地点 笹ヶ峰グリーンハウスに入る際には、ゼッケンと氏名をアナウンスされる。これはテンションがあがる。 しかし時間がな…

【雑記】2022 信越五岳110kを振り返る②:レース内容(スタート~笹ヶ峰グリーンハウス)

1)前夜:宿泊は妙高。スタート地点まで距離があり、3時には宿出発の必要あり。(宿泊場所は斑尾が断然ベター)。 翌朝はぎりぎりまで寝るために、就寝前にテーピングを準備し貼りまくる。 この判断で睡眠30分は確保でき、何よりも朝から焦らずに過ごすこと…

【雑記】2022 信越五岳110kを振り返る①:総論、ミス、ダメージ

信越五岳トレイルランニングレース2022 110kに参加。 結果は109.5km地点でタイムオーバー。DNFとなった。初のDNF。記録なし。ポイントなし。 2019年は完走できたので、今回も完走を目指したがショックな結果となった。 単純に実力不足の面もあるが、振り返る…

【書籍】「知事失格―リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘」小林 一哉

「知事失格―リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘」小林 一哉 <所感> 率直な感想は取材が綿密過ぎるなあ、という点。本当に丹念に取材されている。 そして本編。東京~大阪を67分で移動できるリニア中央新幹線という国家プロジェクト。 開通予定がどん…

【書籍】「差別は思いやりでは解決しない ―ジェンダーやLGBTQから考える」神谷 悠一

「差別は思いやりでは解決しない ―ジェンダーやLGBTQから考える」神谷 悠一 <所感> タイトルは「ジェンダーの差別は思いやりで解決しないのはなぜか?」との問いのことである そして本書ではこの問いへの解決策として「LGBT差別禁止法案(仮称)」を…

【書籍】「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」中島聡

「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」中島聡 <所感> カテゴリー的には時間術の内容だが、後半はパワフルな人生論。 仕事を早く終わらせるためには… 1.まず取り掛かって見積時間の20%で80%仕上げる。それができないと見…

【雑誌】月刊hanada 2022年10月号 - 安倍晋三元総理 追悼大特集号2

安倍総理の暗殺事件の報道は異常である。 高市早苗氏の手記に、そのような報道機関の報じ方について指摘している 「殺されて当然ばかりに視聴者を誘導し、殺人を正当化しているのではないかと思える」 全くもって同意。 まず報じられるべきは犯人の本当殺意…