投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【書籍】「破獄」吉村昭

「破獄」吉村昭 <所感> 破獄…囚人が牢獄を破って脱走すること。牢破り。脱獄 網走刑務所を含む4回の脱獄を実行した無期刑囚(佐久間)をモデルにした小説。 刑務所ごとに佐久間への接し方は変化し、その結果、佐久間とその関係者の心境なとても丁寧に書か…

【書籍】「高熱隧道」吉村昭

「高熱隧道」吉村昭 <所感> 隧道(すいどう)…トンネル。「ずいどう」とも言う。 現・関西電力の黒部川第三発電所の水路トンネル完成に至る工事における苦難を書いた小説。 苦難の最大の原因は現場が山奥にあるではない。 トンネルの建設現場に高熱の断層…

【書籍】「モスクワよ、さらば―ココム違反事件の背景」熊谷独

「モスクワよ、さらば―ココム違反事件の背景」熊谷独 <所感> ココム違反事件・・・1980年代に東芝機械ココム違反事件。ココム(対共産圏輸出統制委員会)の規則に違反した工作機械をソビエトに輸出した事件。 この工作機械によりソビエトの潜水艦技術が向…

【書籍】「ビジネス戦略から読む美術史」西岡 文彦

「ビジネス戦略から読む美術史」西岡 文彦 <所感> よく考えると当り前だが商品として市場価値があがるためは流動性が必須。 絵画という美術品が商品になるためのポイントは「キャンパス」という画材の誕生だったという指摘は納得。 キャンパスに書かれて持…

【書籍】「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星

「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星 <所感> 1960年代に北朝鮮への帰国運動が進められていた。そんな時代が始まる1960年に総連幹部だった著者が見た実態を書く。 帰国事業の大前提は、北朝鮮共和国(←当時はこれ)という新しい国を造るために同…

【書籍】「アジアの隼」黒木亮

「アジアの隼」黒木亮 <所感> ベトナムの火力発電所の入札をめぐる金融戦争。 日本長期債権銀行のベトナム事務所駐在の主人公が必死になって入札案件を取りにまい進する。ある仕事にそこまで打ち込めるというのは、苦労はさておき、羨ましさを覚える。 本…

【書籍】「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」黒木亮

「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」黒木亮 <所感> 国際協調融資の主幹事(→主幹事は左上に書かれるのでトップ・レフトと言われる)をめぐるビジネス小説。 米国投資銀行と本邦銀行のスタンスの違いがとても対比的。 言うまでもなく米国投資銀行は利…

【書籍】「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太

「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太 <所感> 大正期の作家(藤澤清造)を病的に愛する主人公(著者)の生活、それは貧しさと酒とDVによって構成される。 女に手を出しながら、復縁を懇願し土下座をする。しかしまた手を上げる。 自堕落の極みと言える生活を…