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外交

【書籍】「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 ~ そこに互いへの信頼と敬意があるのか?

「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 <所感> イスラム研究者の著者が「アラブの春」にあった2011-2015年のエジプト生活にもとづくエッセイ。 しかし、たんなるエッセイではなくイスラム研究に対するエスノグラフィーの要素も満載。 特にイ…

【書籍】「習近平政権の権力構造 - 1人が14億人を統べる理由」~独裁国家は理念が明確

「習近平政権の権力構造 - 1人が14億人を統べる理由」 <所感> 習近平がいかに自分の権力を強化してきたかを記す本。 ただしChinaの将来は以下の課題に集約される。 国は引っ越しはできない以上、近隣国である日本国民としてはこの課題の影響は無視でき…

【書籍】「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」酒井聡平

「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」酒井聡平 <所感> 大東亜戦争時の日本本土の激戦の地のひとつが東京都の硫黄島(いおうとう)。 その硫黄島に残る遺骨探索を果たし、硫黄島の今を伝える力作。 まず遺骨探索に参加するまでの意思と行動量が凄い。 未だ1万柱…

【書籍】「太平洋戦争の大噓 47年隠され続けた元米大統領の告発」藤井 厳喜

フーバーの「裏切られた自由」は長編で大作。 そこからエッセンスをまとめたものが藤井厳喜著のこの本。 ↓ 「太平洋戦争の大噓 47年隠され続けた元米大統領の告発」藤井 厳喜 <メモ> 1)第二次世界大戦の位置づけ ・第32代アメリカ大統領ルーズベルトの前…

【書籍】「裏切られた自由 - フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症」(上下)ハーバート・フーバー

「裏切られた自由 - フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症」(上下) <所感> 8月15日を前後には戦争モノの報道が多くなる。ただしいつも、平和は大事、あの戦争は悲惨だった。そんな内容ばかり。 決して、なぜあの戦争がおきたか…

【書籍】「戦争と交渉の経済学―人はなぜ戦うのか」ブラットマン・クリストファー

「戦争と交渉の経済学―人はなぜ戦うのか」ブラットマン・クリストファー <所感> 原因を知ることは対策につながる。 本書では戦争の原因を5つに分けて解説して、戦争を避ける結論への帰着を試みる。 5つの原因ごとに事例は記載されているが、過去の戦争に…

【書籍】「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」内藤正典

「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」内藤正典 <所感> 外国人と暮らすことについて、著者は同化主義と多文化主義の2軸で論じ、後者の立場をとる。 そして日本が外国人を受け入れる際に、郷に入っては郷に従えと言えるのかと問題提起の姿をした反…

【書籍】「日本殱滅 - 日本本土侵攻作戦の全貌」トーマス・アレン、ノーマン・ポーマー

「日本殱滅 - 日本本土侵攻作戦の全貌」トーマス・アレン、ノーマン・ポーマー <所感> 副題が全て。 大東亜戦争こと先の大戦では開戦当初からアメリカは日本本土進攻を計画していた。 (南九州上陸はオリンピック作戦、関東上陸はコロネット作戦と呼ばれた…

【書籍】「僕は「脱北You Tuber」―北朝鮮から命がけで日本に来た男」キム・ヨセフ

「僕は「脱北You Tuber」―北朝鮮から命がけで日本に来た男」キム・ヨセフ <所感> 北朝鮮から脱北して日本に住む著者。 実際の北朝鮮の暮らしや日本人拉致事件についてどう思っているか‥と思い目を通したが印象的な点は2つ。 ①「日本の精神文化の概念の「…

【書籍】「エネルギー」(上下)黒木亮

「エネルギー」(上下)黒木亮 <所感> 2008年発刊。国際的な資源ビジネスの当時の最前線を書いた経済小説。 圧倒的な情報量と取材力、そこに自身の実務経験が加わった黒木ワールド全開。 主に3つのテーマをもとに小説は進む。 ・サハリンの巨大ガス田開発…

【書籍】「反日石碑テロとの闘い ―「中国人・朝鮮人強制連行」のウソを暴く」的場 光昭

「反日石碑テロとの闘い ―「中国人・朝鮮人強制連行」のウソを暴く」的場 光昭 <所感> コミンテルンが仕掛けた歴史歪曲・捏造はかなり浸透している。 この浸透は従来メディアはもちろんだが、日本の国土の末端部でより色濃い。沖縄と北海道だ。 本書は北海…

【書籍】「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星

「北朝鮮 1960 - 総連幹部・最初の告発」関貴星 <所感> 1960年代に北朝鮮への帰国運動が進められていた。そんな時代が始まる1960年に総連幹部だった著者が見た実態を書く。 帰国事業の大前提は、北朝鮮共和国(←当時はこれ)という新しい国を造るために同…

【書籍】「憲法学の病」篠田英朗

「憲法学の病」篠田英朗 <所感> 良書中の良書。 問題の原因を都合の良い解釈をして論理(らしきもの)を展開し、自説を肯定するのは詭弁の論法の一つ(これはストローマン論法)であるが、これが日本の憲法学の大本にあることを丁寧に指摘し、説明している…

【書籍】「中国共産党暗黒の百年史」石平

「中国共産党暗黒の百年史」石平 <所感> 百年史である。つまり古くてもたったの100年前。 随分と過去の歴史というよりもついさきほどの出来事。そして何よりも現在進行形なことも多い。 どちらが酷いかという比較論に決してなってはいけないが、ナチスのユ…

【書籍】「天安門ファイル―極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」」城山英巳

「天安門ファイル―極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」」城山英巳 <所感> 1989年6月4日の天安門事件の前夜とその後の日本の判断の考察のために、当時の外交官の極秘記録を丹念に振り返った本。 本書は日本の判断を批判するものではなく、どうしてその…

【書籍】「変見自在 バイデンは赤い」 髙山正之

「変見自在 バイデンは赤い」 髙山正之 <所感> 豊富な知識で切れ味のよい文章。短文の中に固有名詞や日付が盛り込まれた、わかりやすい文章の見本。 そして軽妙な文体と歴史修正主義でもなんでもなく違うことは違うという内容は、まさに髙山節。 本書の切…

【書籍】「自衛隊最高幹部が語る台湾有事」岩田 清文/武居 智久/尾上 定正/兼原 信克

「自衛隊最高幹部が語る台湾有事」岩田 清文/武居 智久/尾上 定正/兼原 信克 <所感> 自衛隊の元最高幹部が台湾有事を想定して現実的なシミュレーションを実施。 映画「シン・ゴジラ」では日本の危機管理における意思決定プロセスの脆弱さがシニカルに表現…

【書籍】日本沈没を食い止めろ!硬直化した政治を変えるための改革

「日本沈没を食い止めろ!硬直化した政治を変えるための改革」音喜多 駿、永江 一石、中谷 一馬、藤末 健三 <所感> 「政治を変える」「政治家を変える」と威勢のいい声を上げても何も変わらないと思っている人は多い。 現にそうかのかもしれないが、なぜか…

【書籍】「中東問題再考」飯山陽

「中東問題再考」飯山陽 <所感> 日本のメディアや「専門家」の見識や解説がいかに偏っているかを鋭く指摘。 本書よりからの抜粋(意訳) イランの親日やトルコの親日は過去の歴史的事実に基づくノスタルジーであって、両国は親中が現在進行形。 親日要素が…

【雑誌】月刊Hanada2022年9月号「安倍晋三元総理 追悼大特集号」

月刊Hanada2022年9月号「安倍晋三元総理 追悼大特集号」 いつもは赤色背景に白文字で雑誌名が書かれているが、本号は背景が黒色。 雑誌全体が喪に服している。なんとも悲しい。 特筆すべきは本書(雑誌なので本誌か)宛ての書かれた安倍総理の一文。 これは…

【雑記】安倍氏の暗殺におけるTIMEの記事(2022/7/8付け)Abe rewrote Japan’s place in the world

安倍氏の暗殺におけるTIMEの記事(2022/7/8付け) Abe rewrote Japan’s place in the world Abe will be remembered for remaking Japan. Kingston says he succeeded in “reviving Japanese confidence and projecting a more confident, upbeat Japan,” fo…

【雑記】心から「日本を守る」と言えた政治家、それが安倍晋三

日本の政治史に残る政治家だった安倍元首相が帰らぬ人となった。 近年ではとても稀有な、そして確実に偉大な政治家だった。 それは各国の首相や元首からのお悔やみの言葉を見ても明らか。 あのとき日本のリーダーは世界のリーダーになっていた。 これから氏…

【書籍】「アイヌ先住民族、その不都合な真実20(改訂増補版)」的場 光昭

「アイヌ先住民族、その不都合な真実20(改訂増補版)」的場 光昭 <所感> 政治的イデオロギーが先行すると歴史の振り返りは結論ありきとなることがよくわかる。 特に日本にはある種のイデオロギーの結論はほぼ同じである。 「日本が悪かった。謝罪と賠償を…

【書籍】「スターリン 家族の肖像」福田ますみ

「スターリン 家族の肖像」福田ますみ <所感> 20世紀はもちろん人類史上でトップクラスの独裁者のスターリン。 その家族(妻、子、孫)に焦点を当て、何人かには直接インタビューを行いスターリンの素顔に迫っている。 ソ連という社会主義の国の独裁者の家…

【書籍】「暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う」福田ますみ

「暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う」福田ますみ <所感> 日本では安倍政権をマスコミ(マスゴミ)やいわゆるリベラルの言論人が「アベ独裁」と評していた。 しかし、その台詞が言えることこそが言論の自由が保たれている一番の証である。 ロシ…

【書籍】「日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」」門田隆将

「日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」」門田隆将 <所感> 1890年、日本は和歌山県沖でトルコのエルトゥールル号の遭難を助けた。 それから125年後、1985年にテヘランが空爆された際に日本人を助けたのはあの遭難事故で恩義を感じ…

「超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図」椿 進

「超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図」椿 進 <所感> 「データを基に世界を正しく見る習慣」が「ファクトフルネス」であるとすると、アフリカはイメージと実態の乖離が最も大きな地域かもしれない。 そもそも一口にアフリカと言っても…

【雑記】ワールドトレードセンターのレストラン

1990年代初期、初めての海外旅行は父親と一緒にアメリカに。 中学生になる直前の春休みのことだった。 当時の写真はほぼ無い。 しかし断片的な思い出の一つが、NYのワールドトレードセンターの100階にあったレストランで食事をしたこと。 エレベーターを降り…

【書籍】「カラ売り屋vs仮想通貨」黒木亮

「カラ売り屋vs仮想通貨」黒木亮 <所感> ゴルゴ13を読めば世界情勢が分かると言われているが黒木亮作品を読めば経済やビジネスの動向がわかる。 自分の経験を踏まえても実ビジネスに近い内容で、業界の実態を知ることができる。 一言で言うと、純粋にた…

【書籍】「米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成」江崎道朗 編訳

「米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成」江崎道朗 編訳 <所感> 米国共産党がどのような層への工作を重視していたかを、戦前の外務省がまとめたレポート。 日本のインテリジェンスの高さが伺い知れる内容である一方で、その内容を活用できなかったと…