投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

書籍

【黙祷】中学生時代にであったぼくらのシリーズを思い出す~宗田理先生が死去

小学生時代にはまった小説は「ズッコケ三人組」しかし、中学生時代は「ぼくらのシリーズ」だった。ある日、遊びに行ったK君の家で「ぼくらの大脱走」を見つけて借りたことがきっかけ。一気に引き込まれた。その後は「ぼくらの七日間戦争」からすべて読み、新…

【書籍】「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 ~ そこに互いへの信頼と敬意があるのか?

「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 <所感> イスラム研究者の著者が「アラブの春」にあった2011-2015年のエジプト生活にもとづくエッセイ。 しかし、たんなるエッセイではなくイスラム研究に対するエスノグラフィーの要素も満載。 特にイ…

【書籍】「ザイム真理教」森永卓郎 ~ 日本における肥大化した権力構造の最大の弊害

「ザイム真理教 - それは信者8000万人の巨大カルト」森永卓郎 <所感> ザイム真理教、それは財政均衡主義を経典とする財務省の権力構造である。 経典に意義唱えることはご法度。そのために日本国民が貧しくなったとしても、だ。 この代表例が「国民一人…

【書籍】ネトゲ戦記」暇空 茜 ~ 裁判官が決めたことが正しいことである

「ネトゲ戦記」暇空 茜 <所感> 発刊前にウエブで公開されていたブログを書籍化した本。 ブログ時代にも読んだが改めて購入。 メインは第3部。2部を前提とした話はあるが裁判とは何か?を学ぶことができる。 (ゲーマじゃなければ1部はスルー推奨) 結論「…

【書籍】「本当に欲しかったものは、もう~Twitter文学アンソロジー」~ 隣と比べてしまう

「本当に欲しかったものは、もう~Twitter文学アンソロジー」 <所感> そういえばガラケー時代にはケータイ小説と呼ばれたジャンルがあった気がする。 といってもその内容はよくしらないのだけれでも。 時を経て、いまはTwitter文学。 (どうでもいい…

【書籍】「狭小邸宅」新庄耕 ~ 仕事、仕事の青春小説

「狭小邸宅」新庄耕 <所感> 戸建て住宅販売員の若者を書いた小説。 前半は結果を出せない自分と克明すぎるそのブラック企業ぶりの描写が印象的。 後半は実績がついてくるが何か満たされないという葛藤が見事に行間に表現されている。 なんのために仕事をす…

【書籍】「わが投資術 市場は誰に微笑むか」清原達郎 ~ 健康はプライスレス

「わが投資術 市場は誰に微笑むか」清原達郎 <所感> 個人資産800億円の伝説的サラリーマントレーダー。 投資のアドバイスもあるがちりばめられた人生訓の読み物として読んでも面白い。 そして本文はですます調の敬体で書かれているが、時折、「でしたかね…

【書籍】「なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか」古屋星斗~質的負荷というトレーニングを

「なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか」古屋星斗 <所感> 〇〇世代、今ならば若手は「Z世代」と称される。しかしどの世代であっても一括りにするのは禁物だろう。 特に今はなおさら。それは職場が変わったからとのこと。 特に働き方改革の影響…

【音楽】NOFXツアーとPUNKSPRING ~余韻に浸って健さんのコラムを読み返す

NOFX大阪公演からのパンクスプリング2024。 余韻と感傷に浸っている。 NOFXのJapanフィナルツアー参加は恒さん、難波さん、健さんのハイスタ3人の約束だった。 その約束事項が全て終わってしまった。 ZAXさんのドラムより見事にライブを成立させたのだが、ハ…

【雑誌】月刊Hanada4月号、河井克行氏の連載 ~ 地方マスコミの幻想論

元法相の河井克行衆院議員は選挙違反事件で実刑判決を受け服役をしていた。(個人的にはこの事件、買収された議員の罪は不問になっている点にとても闇深いものを感じている)そんな河井氏は服役中は「獄中日記」、昨年の仮釈放後は「いざ、再出発」と題名を…

【書籍】「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子 ~ 強く戦うことが見たい

「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子 <感想> 小説は最後まで目を通さないと味わいが半減。 と思いながら読了したが残念ながら最後まで没入できなかった。 読解力の無さだろうか。はたまた好みの問題か。 個人的にはきっと、少年には力強くあって欲しかったから…

【書籍】「ランニングの処方箋 - 医者の僕が走る理由」大槻 文悟 ~ まだいける気がする

「ランニングの処方箋 - 医者の僕が走る理由」大槻 文悟 <所感> マラソンやトレランの経験者必見。非常に面白い。 著者はマラソンサブ3、トレイルでは信越五岳110kmで準優勝の経歴をもつ京大医学部出身の脊椎外科医。 本人は終始謙遜しているが、ガチランナ…

【書籍】「チームX 」木下 勝寿 ~ KPIとは目的ではなくあくまでも手段

「チームX – ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方」木下 勝寿 <所感> チームマネジメントの具体例が学べる本。 気になったのは2点。 1)最重要:KPIの設定と見直し 根幹はPDCAサイクルを回すということであるが、じゃあ、どうやっ…

【書籍】「エルサレム“以前”のアイヒマン」~ ユダヤ人絶滅計画を実行した人間の膨大な文章と記録

「エルサレム“以前”のアイヒマン―大量殺戮者の平穏な生活」ベッティーナ・シュタングネト <所感> ユダヤ人絶滅計画の中心自分の一人のアドルフ・アイヒマン。 そんなアイヒマンがドイツ敗戦後モサドに捕獲されますまでに膨大な文章と音声録音を残していた…

【書籍】「魚のように」中脇 初枝 ~ 未来とは人が老いること。自分も。

「魚のように」中脇 初枝 <所感> 「魚のように」と「花盗人」の2編が収録。 なんと著者が17歳の時の作品。 表題の「魚のように」は僕の姉(高校生)とその友人の人間関係の話。 著者も登場人物も10代である。 そんな作品を読むには自分は年を取り過ぎたの…

【書籍】「解像度を上げる」馬田 隆明 ~ 言語化言語化、そして構造化と行動!

「解像度を上げる」馬田 隆明 <所感> 思考系の本の最も実務的に活用できる本ではないだろうか。ベスト 解像度を「深さ」「広さ」「構造」「時間」に分類し、とにかく深さが大事という。 この深さに関する章だけでも本書を読む価値がある。 気になった点は…

【書籍】病の皇帝「がん」に挑む - 人類4000年の苦闘」~ あくまで苦闘の歴史の現在地

「病の皇帝「がん」に挑む - 人類4000年の苦闘」シッダールタ・ムカジー【著】/田中文【訳】 <所感> 2023年のベスト3に入る本。 壮大なるガンをめぐる人類の物語。 ガンと推定される症状は4000年前からあった。しかし、それがガンというものだとわかっ…

【書籍】「シャイロックの子供たち」池井戸潤 ~ 会社で交わるいくつもの人生

「シャイロックの子供たち」池井戸潤 <感想> ある町の銀行の支店の人間模様。 一人一人には人生がある。平凡な人生なんて存在せず、みんな違う。 そして銀行と言う狭い世界の中で、あたかもそこが世界の全てかのように振る舞う。 普通とはなにか、理想とは…

【書籍】「言語学的ラップの世界」川原 繁人 ~ 韻は母音だけではない

「言語学的ラップの世界」川原 繁人 <所感> 言語学者によるラップの分析。一見、カジュアルな内容だがかなり踏み込んでいる。 なんとも面白い。 単に韻=母音を揃えるということではなく、子音も重要と言う* *言語音は共鳴音(「なまらやらわ」行)と阻…

【動画と書籍】「ほったらかし投資術」を再読して山崎元さんの長生きを願う

この動画で元楽天証券の山崎元さんがガンになっていることを知る。姿にショック。まだ65歳。https://www.youtube.com/watch?v=MXBsHbF603U継続して投資するようになったのは2011年ごろに名著「ほったからかし投資術」を読んだことがきっかけ。ある意味、山崎…

【書籍】「北海道が危ない!」砂川陣 ~ プロアイヌという職業

「北海道が危ない!」砂川陣 <所感> 「差別撤廃」「人権尊重」「平和」「平等」・・・・大きな大義名分を声高に叫ぶ団体には違和感を感じている。 理由は誰も否定しないこれらの言葉によって、誰かの利益が生まれているという実態があるから。 本書はプロ…

【書籍】「大事なことに集中する」カル・ニューポート ~ 集中できることが価値になる

「大事なことに集中する―気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法」カル・ニューポート <所感> ディープ・ワーク…注意散漫のない集中した状態でなされる職業上の活動 シャロー・ワーク…あまり知的思考を必要としない補助的な仕事。注意力…

【書籍】「戦略「脳」を鍛える」御立尚資 ~ 戦略がコモディティである。大事なのはその次の一手

「戦略「脳」を鍛える」御立尚資 <所感> 良書。2004年発刊で廃版になっている本だが、再版を求めたい。 内容。 戦略の定形パターンだけ必ず勝てることは無く、状況に応じた戦略が必要。 戦略がコモディティ化した際に必要なことは何か?が大事。 何か=イ…

【書籍】「習近平政権の権力構造 - 1人が14億人を統べる理由」~独裁国家は理念が明確

「習近平政権の権力構造 - 1人が14億人を統べる理由」 <所感> 習近平がいかに自分の権力を強化してきたかを記す本。 ただしChinaの将来は以下の課題に集約される。 国は引っ越しはできない以上、近隣国である日本国民としてはこの課題の影響は無視でき…

【書籍】「日本の絶望ランキング集 」大村大次郎 ~ 因果関係と相関関係の混同禁止令

「日本の絶望ランキング集 - 世界で第何位?」大村大次郎 <所感> 実質的に世界一の資産大国・債権国ではあるが、少子高齢化が進み、格差が広がる日本の衰退を防ぐ方策はあるか? とこれは本書の案内文。 本書にはデータが満載であり、そのデータは正しいの…

【書籍】「黄金比の縁」石田 夏穂 ~ 見た目には理由がある

「黄金比の縁」石田 夏穂 <所感> 主人公が「会社の不利益になる人間を採る」という信念をもった人事部採用担当の話。 この設定が本作の魅力の全て。 一方で、人事採用には正解がなく、時に属人的であり時に運ゲー。 そして「縁」というマジックワードで全て…

【書籍】「ヘンな科学 - “イグノーベル賞”研究40講」五十嵐 杏南 ~ ビバ人体実験

「ヘンな科学―“イグノーベル賞”研究40講」五十嵐 杏南 <所感> ノーベル賞とパロディとされるイグノーベル賞。しかしどんな研究であってもいつだって探求心からできている。 研究内容よりも研究者の人間性も垣間見れる本。 特に「研究者はやってみた」の…

【書籍】「踊れ始祖鳥」くろだたけし ~ 切り取られた日常が心に届く。時に不安を伴って。

「踊れ始祖鳥」くろだたけし 短歌集。 身の回り半径5mの世界を素朴な言葉で切り出している。 五七五七七のリズムのキャッチコピーのようであり、そうでないような。 日常の中にある景色が心に何故かぼんやりと突き刺さる。時に不安を伴って。 世の中からそん…

【書籍】「静寂の技法」 ~ 詰め込み過ぎないことが大事

「静寂の技法 最良の人生を導く「静けさ」の力」 <所感> 静寂の重要性。 ただし静寂とは純粋に静かであることではなく所謂ノイズの無い状態。 全くの無音より作業音がある方が勉強がはかどるという事例が典型だろう。 また本書では騒音を聴覚騒音、情報騒…

【書籍】「半沢直樹 アルルカンと道化師」池井戸潤~平仄を合わせる

「半沢直樹 アルルカンと道化師」池井戸潤 <所感> 半沢直樹シリーズの第4弾であり、現時点の最新作。 本シリーズは1から3弾までだんだん出世ていくのが、この作品は島耕作のように一度過去にさかのぼって大阪西支店の話。 いつかこの作品がドラマ化される…