投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

書籍

【書籍】「オレたちバブル入行組」池井戸潤 ~ 勧善懲悪、万歳!

「オレたちバブル入行組」池井戸潤 <所感> 好きなドラマのベスト3に確実に入るのは「半沢直樹」。その原作であり、半沢直樹シリーズの1作目。 (最も、これまでの人生においてほぼドラマを見たことがないけども) いつかドラマの続編があるかも、と思い原…

【書籍】「青春をクビになって」額賀澪~やりたいことで苦しむ時間

「青春をクビになって」額賀澪 <所感> あの子やあの人へのトキメキ 将来に対する期待 若さがゆえの根拠なき自信 本作はそんな青春にありがちな要素は皆無である。 あるのはポスドクの雇止めを前にした30代半ばのポスドク主人公の話。 そして専門は古事記。…

【書籍】「マスカレード・ナイト」東野圭吾 ~ ホテルのコンシェルジュという仕事

「マスカレード・ナイト」東野圭吾 <所感> 高級ホテルが舞台。 犯人やトリックよりもそんなホテルのコンシェルジュという仕事への関心が高まる作品。 ちゃんと取材を重ねているであれば、コンシェルジュってここまでするのか!?とその驚きが本作一番の見…

【書籍】「怪しい人びと」東野圭吾 ~ 気楽にミステリーが読める本

「怪しい人びと」東野圭吾 <所感> 短編集。 短編集ゆえに物足りなさもあるが、たっぷりの充実感を求めるのは酷かもしれない。 さらりと気楽に読む。これは本作への正しい姿勢。 寝ていた女…ひとは見かけによらぬもの。そして男にとって女性は永遠にミステ…

【書籍】星新一YAセレクション「死体ばんざい」~昭和でも令和に読める普遍性

星新一YAセレクション「死体ばんざい」 <所感> ショートショートの創設者と言える星新一作品の凄さは普遍性だと思う。 作品内には限りなく時事を盛りまず、30年前の作品であっても今書かれたようで、時代の違和感が限りなく少ない。 もし電話ボックスやF…

【書籍】「沙林―偽りの王国」帚木 蓬生~宗教法人という不可侵領域

「沙林―偽りの王国」帚木 蓬生 <所感> 沙林=台湾語でサリン。1994年の松本サリン事件からもう30年近くが経つ。 フィクションの体裁と言いつつ、本書は神経内科医の目線でそんなオウム真理教による凶悪犯罪を振り返っている。 また筆者が医師ということも…

【書籍】「日本共産党暗黒の百年史」松崎いたる ~時の流れで朽ち果てるのを待つしかないのか

「日本共産党暗黒の百年史」松崎いたる <所感> 共産主義とは何か?という問いには学術的にいろいろな答えがあるだろう。 しかし、日本の共産党とは何か?と問われたとき回答は極シンプルである。 答え「破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体」 そ…

【書籍】「ウォーク・ドント・ラン―村上龍vs村上春樹」

「ウォーク・ドント・ラン―村上龍vs村上春樹」 <所感> 1981年発刊なので、30歳前後だった村上龍と村上春樹の対談集。 村上龍は「限りなく透明に近いブルー」と「コインロッカー・ベイビーズ」、村上春樹は「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」について…

【書籍】「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」酒井聡平

「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」酒井聡平 <所感> 大東亜戦争時の日本本土の激戦の地のひとつが東京都の硫黄島(いおうとう)。 その硫黄島に残る遺骨探索を果たし、硫黄島の今を伝える力作。 まず遺骨探索に参加するまでの意思と行動量が凄い。 未だ1万柱…

【書籍】「風評被害~そのメカニズムを考える~」関谷直也

「風評被害~そのメカニズムを考える~」関谷直也 <所感> 被害が生じる際には、必ず加害する存在がある。 風評被害のメカニズムとは、誰が風評加害を行っているのか。 これに尽きるのではないだろうか。 最近話題の処理水の排出も然り。 基準値未満の処理…

【雑誌】リズム&ドラム・マガジン2023年7月号 ありがとう、ボクらのドラム・ヒーロー 恒岡 章

リズム&ドラム・マガジン2023年7月号 ありがとう、ボクらのドラム・ヒーロー 恒岡 章 <所感> 自分にとってのヒーローは誰か? 90年代後半に10代を迎えた多くの音楽好きがそうであるだろうが、ヒーローはHi-standardの3人だ。 ヒーローというか青春を担っ…

【書籍】「富山地方鉄道殺人事件」西村京太郎

「富山地方鉄道殺人事件」西村京太郎 <所感> 初めて西村ミステリーを読む。 手に取った理由は帰省時に地元の本屋でこの本が紹介されたいたから。 舞台は富山、宇奈月、黒部、立山。 正直、ストーリーはなんとも不完全であり、自分好みではない。 ただし馴…

【書籍】「太平洋戦争の大噓 47年隠され続けた元米大統領の告発」藤井 厳喜

フーバーの「裏切られた自由」は長編で大作。 そこからエッセンスをまとめたものが藤井厳喜著のこの本。 ↓ 「太平洋戦争の大噓 47年隠され続けた元米大統領の告発」藤井 厳喜 <メモ> 1)第二次世界大戦の位置づけ ・第32代アメリカ大統領ルーズベルトの前…

【書籍】「裏切られた自由 - フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症」(上下)ハーバート・フーバー

「裏切られた自由 - フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症」(上下) <所感> 8月15日を前後には戦争モノの報道が多くなる。ただしいつも、平和は大事、あの戦争は悲惨だった。そんな内容ばかり。 決して、なぜあの戦争がおきたか…

【書籍】「アウトプット思考 - 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術」内田和成

「アウトプット思考 - 1の情報から10の答えを導き出すプロの技術」内田和成 <所感> アウトプットの大事なことは「インプット過多に陥らない」こと。 ここから意思決定に必要な情報は「マイナスのエントロピー」と表現している点が本書のポイント。 仮にあ…

【書籍】「年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活」小林美希

「年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活」小林美希 <所感> 著者は2000年が新卒の年。一般的に1993年~2005年卒が氷河期世代と言われるが、2000年は大卒の就職率は60%未満という氷河期中の氷河期の年。 そんな著者が2022年の発刊時に40歳前後の氷河期世代…

【書籍】「戦争と交渉の経済学―人はなぜ戦うのか」ブラットマン・クリストファー

「戦争と交渉の経済学―人はなぜ戦うのか」ブラットマン・クリストファー <所感> 原因を知ることは対策につながる。 本書では戦争の原因を5つに分けて解説して、戦争を避ける結論への帰着を試みる。 5つの原因ごとに事例は記載されているが、過去の戦争に…

【書籍】「ポスト平成のキャリア戦略」塩野誠、佐々木紀彦

「ポスト平成のキャリア戦略」塩野誠、佐々木紀彦 <所感> この手の本の中では良書に入る。最も発刊2017年時点で著者は42歳と38歳なので、30代前半まで目を通すといいと思う。 ・全世代:ハングリーさをもってチャレンジせよ。 ・40代:決断力をもつ。部下…

【書籍】「官邸官僚が本音で語る権力の使い方」兼原 信克/佐々木 豊成/曽我 豪/髙見澤 將林

「官邸官僚が本音で語る権力の使い方」兼原 信克/佐々木 豊成/曽我 豪/髙見澤 將林 <所感> 第2次安倍政権の内閣官房副長官経験者3人と新聞記者の対談集。 この新聞記者は、あんなにも感情的に安倍政権をこき下ろした朝日新聞の人間というキャスティングが…

【書籍】「人は聞き方が9割」永松茂久

「人は聞き方が9割」永松茂久 <所感> 傾聴の重要性とポイントを説く本。 ポイントは嫌われない聞き方を身に着けましょうということ。 「感嘆+賞賛」(例:すいごいね。よかったね)と相槌をするというのはシンプルだが効果的のようだ。 気になる点。 嫌わ…

【所感】「毛沢東の大飢饉 史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962」ディケーター・フランク

「毛沢東の大飢饉 史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962」ディケーター・フランク <所感> 人類史上に残る虐殺と言えばナチスによるユダヤ人大虐殺でその人数は600万人。 そして主導者のヒトラーは民主的な選挙で選ばれた人間でもある。 一方で、独裁者が…

【書籍】「21世紀の啓蒙―理性、科学、ヒューマニズム、進歩」(上・下) ピンカー・スティーブ

「21世紀の啓蒙―理性、科学、ヒューマニズム、進歩」(上・下) ピンカー・スティーブ <所感> 良書中の良書。 これこそが大局観。そんな視点で世界を俯瞰された本。 「理性と共感によって人類の繁栄を促すことができる」という啓蒙主義の原則に基づき、世…

【書籍】「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」内藤正典

「外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?」内藤正典 <所感> 外国人と暮らすことについて、著者は同化主義と多文化主義の2軸で論じ、後者の立場をとる。 そして日本が外国人を受け入れる際に、郷に入っては郷に従えと言えるのかと問題提起の姿をした反…

【書籍】「ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」ドリー・クラーク

「ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」ドリー・クラーク <所感> ベストセラーの「LIFE SHIFT」(ライフ・シフト)では人生100年時代となり人生のステージは複数存在する、そして、金銭以外の資産(家族・友人、健康、知識…

【書籍】「財務省、偽りの代償 国家財政は破綻しない」高橋洋一

「財務省、偽りの代償 国家財政は破綻しない」高橋洋一 <所感> 元財務省(旧大蔵省)官僚の高橋氏は徹底的に財務省が主張する経済破綻論を論破する。 高橋氏が財務省を語る内容は本書に限らず、どれも似通っている。 しかし何冊も書いているというはもはや…

【書籍】「日本殱滅 - 日本本土侵攻作戦の全貌」トーマス・アレン、ノーマン・ポーマー

「日本殱滅 - 日本本土侵攻作戦の全貌」トーマス・アレン、ノーマン・ポーマー <所感> 副題が全て。 大東亜戦争こと先の大戦では開戦当初からアメリカは日本本土進攻を計画していた。 (南九州上陸はオリンピック作戦、関東上陸はコロネット作戦と呼ばれた…

【書籍】「戦争とデザイン」松田行正

「戦争とデザイン」松田行正 <所感> 「デザイン」の観点で戦争を捉えた本。「デザイン」とは、色でありシンボル・マークであり標語・フレーズである。 ここでやっぱり主体となるのは第二次世界大戦におけるドイツのナチスである。 戦争の悪役の話になると…

【書籍】「失くした「言葉」を取り戻すまで - 脳梗塞で左脳の1/4が壊れた私」清水ちなみ

「失くした「言葉」を取り戻すまで - 脳梗塞で左脳の1/4が壊れた私」清水ちなみ <所感> 脳梗塞により左脳の1/4が壊死した著者が麻痺や失語症と闘いながらまたエッセイストに戻るまでの道を書いたノンフィクション。 本人のポジティブ力と努力に加えて、…

【書籍】「未来を生きるための 読解力の強化書」佐藤優

「未来を生きるための 読解力の強化書」佐藤優 <所感> 本書のいう読解力とは「相手を正しく理解し、適切に対応する力」のこと。 そしてこの読解力を身に着けるためには名作と呼ばれる小説を読み解くことが重要という。 第一ステップは要約、第二ステップは…

【書籍】「西東三鬼 全句集」西東 三鬼

「西東三鬼 全句集」西東 三鬼 <所感> 松尾芭蕉ならば「古池や蛙飛びこむ水の音」に相当するものは、西東三鬼なら「水枕ガバリと寒い海がある」である。 しかし句集に目を通すと、何か心に引っ掛かるものが見つかる。 何かふと足もとの石ころが気になるよ…