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【書籍】「国家の怠慢」高橋洋一、原英史

<メモ>

財務省経産省出身の二人が語る日本の社会システムの不備。

その原因は政治、行政、そしてマスコミ。

 

1.コロナ対策

PCR検査の全国民検査論、検査抑制論はいずれも極論であり暴論。

平時と非常事態では対応が根本的に異なる。平時は政治主導、非常時は官邸主導。

 

経済対策はとにかく最終需要を造ること。

一方で、財務省はとにかく増税をしたいので、消費税減税は絶対反対。

財務省は自分たちの優位性を築く予算分配の利権を守りたいので。

 

2.規制改革

オンライン授業…文科省反対。

理由 オンライン授業→教員削減→予算規模削減→省の力が低下すること懸念のため。

マイナンバー…活用が法律で制限されていることが問題。

 

3.行政改革

役人が反対するのが行政改革。省庁は天下り先をいかに確保するか、が最優先。

政府出資や補助金のところに全て絡める財務省の力は異次元。

 

4.モリカケ問題

森友問題

…近畿財務局が土地の払い下げを競争入札ではなく随意契約にしたという事務ミス。

そして、その事務ミスが分からない状態で佐川 元国税庁長官が国会答弁したこと。

国有財産の仕事は地方の財務局マター。本省キャリアの仕事からは遠い。もちろん官邸からも遠い。

やるべきことは佐川氏がそのような経緯を説明すること。

 

 

加計学園問題

文科省が大学の申請を勝手にストップしていた規制を規制改革で申請してもよいした。

しかし、文科省は申請は受け付けないと主張。規制の理由も説明なかったことが理由。

獣医の需要共有予測を農水省に丸投げして、データがないからと開き直っていたことが原因。

官邸に責任を問う問題ではない。

 

ただし官邸の対応でまずかったことは、明らかに国家公務員法文科省も認めた前川 元事務次官を自主退職とて退職金を払ったこと。

 

4.国会、マスコミ

国会での発言は憲法で免責特権がある。憲法第51条。名誉棄損されても、なんもできない。(過去に野党の国会で異常な人物と名指しされた病院長が自殺した事件もあった)

免責特権の憲法改正のみ。

 

マスコミの成功パターン

自分たちの政治的主張、思想に基づき証拠がなくても疑わしいと記事を出す

→国会が取り上げる

→それをマスコミが取り上げる

→以下ループ

 

5.これから

コロナで働き方改革は変わらざるを得ないことになった。未来への変化が加速する。

我々に求められるのはまずリテラシー

 

<所感>

テストの点がよいではなく明らかに優秀である二人の対談本。

示唆に富む点にあふれている。特に行政については省益とその権限(天下り先の確保)がほぼすべての問題の根底にあると、もともと中にした二人が強調している点は興味深い。