<所感>
著者はループ量子重力理論が専門の物理学者。
時間は存在するでしょという一般的な感覚を、そうなんだけどよく考えると違うよねと徹底的に深堀する。
もはや哲学。
<メモ>
・エントロピーい大の法則(△S≧0)は曖昧に世界を見たときにのみ成立。ミクロにみると過去と未来は同じ
→この意味で時間は存在しない(つまり、時間が存在するという一般的感覚はかなり特殊な事例と言える)
・プランク時間(10^-44秒)では時間への量子効果が発現。このレベルは時間の概念があてはまらない。
・「今」は存在しない。相対性理論より宇宙全体で定義できる「同じ今」が存在しないから。
・世界を構成するのは物(物質)ではなく出来事。時間の概念がなくなっても、後者は存在する。ただし出来事は絶えず変化している。
<メモ2>
ループ量子重力理論…量子重力に関して、超弦論と並ぶ有力候補の理論
量子論…物理量が揺らぎを持ち一つの値に確定できないとする理論