<所感>
マイケルサンデル先生もびっくりの良書。
「トロッコ問題」に代表される、正義とは何か?この問いに、3つの正義という判断基準を用いて、その違いを論じる。それが小説形式で理解しやすい。
3つの正義と主義とは?
平等の正義…功利主義、自由の正義…自由主義、宗教の正義…直観主義
正義を語るとき、人が気が付かないうちにこのいずれかの主義に立ち、主義が異なるとその思考は平行線をたどる。
大事なのはこの中で絶対的な正義は存在しないこと。ゆえに、正義を定義しないこと。この点を理解すること本書は語る。
再度の所感だがこれは良書。ただし、個人的にエピローグは嗜好に合わないのでそこだけマイナス。
P.S.
なお、自由主義はリベラリズム、リバタリアニズム等のスタンスがあり、日本でも自分はリベラリストと自称する方がいる。しかしそんな人は得てして反与党や反自国愛であるのはどうしてだろうか?きっと本来の自由主義の定義を理解していないに違いない。