<所感>
今後はオールドパワーではなくニューパワーが必要と説く本。
ニューパワーのポイントは、潮流(カレント)をもった開放的なもの。
ニューパワーの発揮のための大事なACEの原則は企業のマーケティングにおいても役に立つはず。
Actionable(行動を促す)、Connected(つながりを生む)、Extensible(拡張性がある)
例:ECサイトの口コミの影響力。
これはまた、仕事であれば情報を持っていることで優位性を保つという従来の価値観が通用しないということも意味すると解釈できる。
ちなみに自分の場合は仕事で得た顧客や市場の情報は社内に積極的に開示するというスタンス。
気になるのは端々に出てくる著者の政治思想と思われるもの。
ニューパワーを活用して大統領になったオバマへの評価が高い事(逆にトランプの評価は低い)。
オバマには立法面で大きな業績評価、支持率高い、目立ったスキャンダル無しと称賛する一方、トランプ評は混乱をもたらしたとバッサリ。
(ちなみに本書発行2018年だが、トランプは2020年にバーレーンとイスラエルの歴史的な和平合意を築いた)
また、ニューパワーマトリックスにはISISも事例として記載。ここにはISISよりも中国共産党を書いて欲しいものだ。
<目次>
第1章 ニューパワーの世界へようこそ ── これからの時代を生き抜く力を手に入れる
第2章 オールドパワーvsニューパワー ── いったい、なにがどう変わったのか?
第3章 「ミーム」を投下せよ ── 自分の「影響力」を爆発させる
(ここでACEの原則に言及)
第4章 「群衆」をつくれ ── 「史上最強の味方」の行動原則
第5章 ニューパワー・コミュニティという武器 ── 群衆から「驚異的な献身」を引き出す
第6章 影響範囲を「拡大」する ── いかにして、もっと広く浸透させるか?
第7章 がっちりつかんで離さない ── 人を引き込むまっとうでクレイジーな方法
第8章 オールドパワーから「ジャンプ」する ── 新たなパワーをつかむ最速戦略
第9章 新しい「リーダー」になる ── ニューパワーで人を動かす
(オバマとトランプの話)
第10章 パワーを「ブレンド」する ── この組み合わせが劇的な効果をもたらす
第11章 「未来」の波に乗る ── ニューパワーの「最高傑作」をつくる