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【書籍】「日本は本当に「和の国」か」吉木誉絵

「日本は本当に「和の国」か」吉木誉絵

 

<所感>

古事記」から日本人のアイデンティティを探る本。

日本の生活の日常には神道が溶け込んでいる。その意味で神道は慣習であり文化であり、宗教ではは無いと考えている。

そういった慣習や文化がその国のアイデンティティを形成する。

 

まず印象的な事例は箸。日本の家庭には父親用の箸、母親用の箸、息子用の箸がある。しかし西洋でフォークやスプーンにそんな区分けがあるか?どうして日本ではそんなことになっているのか。

それは、唾液にはその人の霊力が宿っているからであり、「古事記」にはそのような事例が多い。

この一例から「古事記」には現代の日常の文化・慣習の源をたどることができる。

 

また日本と西洋やアメリカの価値観の違いは神の価値観の違いからくるとする。

日本の神は八百万の神。それは自然全てを信仰の対象とするため、対象物のそのものにも感謝する。

(例:食事の「いただきます」と感謝。その対象は食べ物そのものや生産者)

しかし西洋では唯一絶対神を中心とした思想に基づく。

(例:食事の際には食べ物を与えれくれた神に感謝)

 

神話は民族の原体験とされる。

日本人は自国の文化を説明できないというが、それは自国の神話を軽視していることが理由だろう。

よって、その内容を好き嫌いにかかわらず、神話の内容を共有することが大切である。

 

<目次>

第1章 日本人のアイデンティティとは何か

第2章 神話が示す、民族のアイデンティティ

第3章 「和の国」のルーツを『古事記』から探る

第4章 同調圧力はいかにして生まれるか

第5章 『古事記』の和と現代日本人の和