「米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成」江崎道朗 編訳
<所感>
米国共産党がどのような層への工作を重視していたかを、戦前の外務省がまとめたレポート。
日本のインテリジェンスの高さが伺い知れる内容である一方で、その内容を活用できなかったということも浮き彫りになる。
ルーズベルト政権にいたソ連のスパイと米国共産党員は「意図的に」日米対立を作り出した。このルーズベルト政権の反日政策に反発し反米政策をとったのが近衛内閣。
しかしこの反米政策は、見事にスターリンのアジア共産化工作に加担した。
毎年、先の大戦を振り返る8月。
いつまでも「戦争は悲惨、だから平和を」という思考停止の振り返りでよいのだろうか。
続々と機密文章の研究が進んでいる。
そんな中で判明した歴史的事実をもとにした検証結果をもとにした振り返りが必要と感じる。
<目次>
第1章 - 沿革
第2章 - 概説
コミンテルンまたはソ連政府との関係/米国共産党当面の目標/具体的工作方法/米国共産党運動の限界/米国共産党の組織大要
第3章 - 共産党の組織および活動
米国共産党現勢/共産党入党手続きおよび党費分担/米国共産党の資金関係/各級地方支部/全国代表会議/全国委員会/政治委員会/執行委員会/全国統制委員会/米国共産党本部