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【書籍】「BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相」ジョン・キャリールー

「BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相」ジョン・キャリールー

 

<所感>

とにかくとにかくとにかく面白い。

血液検査ベンチャーバイオベンチャー「セレノス」。

それはスティージョブズにあこがれた女性創業者エリザベスが作り上げがたとてつもない砂上の楼閣。

一次は時価総額1兆円超え。エンロン以来の企業不正事件の真相である。

 

1.女性であること

セレノスが巨大化した理由は権力者や著名投資家に取り入るのがうまかったことだ。

その理由はカリスマ性かもしれないが、カリスマ性の大本は間違いなく「若い女性」であるからと印象を受けた。

男性が支配するテック業界に風穴を開ける女性起業家。

こんなにわかりやすいヒーローの登場の舞台は無い。

 

2.企業秘密と守秘義務

一滴の血液で何百種類の検査が可能。誰もが気になる技術的解決策をエリザベスは「企業秘密」の一言で片づけた。

マジックワードである。

またセレノスの企業体質や技術力に疑問を持って退職した従業員には徹底した守秘義務を順守させた。

守秘義務違反は徹底した法的訴求を行う。

この脅威がセレノスの事実の表面化の大きな障害となった。

企業秘密の保持はとても重要で、日本はそれがとても甘い(そもそもスパイ防止法が無い国だし)。

しかし秘密主義が暴走するとこんな事件になりうるという一つの興味深い事例と感じる。

 

3.化学工学

外から見るとキラ星のセラノスには多くの優秀な人材が入ってきた。

中でも化学工学の専攻者が多く感じた。

これは自分が学生時代に化学工学を専攻していたバイアスかかった印象である。

それはさておき学生時代は地味に感じた学問、化学工学。

しかしバイオや医学にも十分貢献できる学問。化工よ、もっと盛り上がれ!

 

<目次>

意義ある人生

糊付けロボット

アップルへの羨望

さらばスラム街

子ども時代の隣人

サニー

ドクターJ

ミニラボ

ウェルネス戦略

「シューメイカー中佐とは何者だ?