「カラ売り屋vs仮想通貨」黒木亮
<所感>
ゴルゴ13を読めば世界情勢が分かると言われているが黒木亮作品を読めば経済やビジネスの動向がわかる。
自分の経験を踏まえても実ビジネスに近い内容で、業界の実態を知ることができる。
一言で言うと、純粋にためになる。
「排出権商人」や「トリプルA」といった長編作品はそんな黒木作品の良さを存分に堪能できる。
一方、本書のカラ売り屋シリーズは短編であり読みやすい。
カラ売り屋の「パンゲアカンパニー」がターゲット企業にカラ売りを仕掛ける
→最初は順調に株価が下がる。含み益発生。
→しかし状況が一転、株価回復。含み損発生。
→さらなる仕掛けを打って、株価暴落。含み益発生し、利確。
どれも基本はこの構成。
ワンパターンと言えばワンパターン。
ただし、「仮想通貨の闇」においては各局面の変化があまりに理解度がしきれず、逆に面白かった。
仮想通貨。聞いたことはあるが、よくわからない。
仮想通貨は何を生み出し、これからどうなるのか。
この作品でその一端を垣間見ることができる。
しかし、黒木先生、次は長編をお願いします!
<収録>
「仮想通貨の闇」…投資家のモデルは元ゾ○タウンのあの人。
「巨大航空会社」…どう見てもモデルはJAL。
「電気自動車の風雲児」…主人公のモデルはテ○ラのあの人。