「グレートトラバース 日本百名山ひと筆書き」田中陽希
<所感>
筆者は本書の発刊後には日本に二百名山も完頂。そして、さらに三百名山にチャレンジと飽くなき挑戦を続けている。
この手の耐久性スポーツ(?)で重要なのは筋肉系と内臓系の疲労や怪我。
本書でもその点が存分に語られており、耐久性スポーツの末席の人間としては同感できる点は多い
しかし印象的なのは筆者がこのチャンレジを通じて感じた2つ思いだ。
1)道を歩くときすれ違う人に挨拶をしてみると、街が近づくにつれてだんだん挨拶を返してもらえなくなる。
ここが田舎と都会の境界線なのでは。そんな思い。
2)このチャンレジの様子はNHKで何回に分けて放送されたが、放送後は山頂などで待ってくれる人がいる。
時には「(山頂に)来るのが遅いよ!」と言われることも。
何のために、誰のために、チャンレジをしているのかわからなくなる。そんな思い。
あとこれまたこのようなチャレンジにつきものの「資金が潤沢ではないので~」「旅費の節約のために~」という記述が何度もある。
いや、もちろん資金が潤沢ならばこのチャレンジが完遂できるとは限らないが、かといって清貧的な要素は不要と思う。
資金確保が話のメインならばまだしも、そのような記述はできるだけ減らしてよかったのではと感じた。
<目次>
第1章 気の向くままに風の吹くままに(九州編)
第2章 一座のために一つの目的のために、走れ!歩み続けろ!(中国・四国編)
第3章 緊張が高まる毎日(近畿・東海編)
第4章 不安と緊張、そして感動と涙(日本アルプス編)
第5章 反響の変化(関東・甲信越編)
第6章 旅という名の挑戦 みんなの思いを背負って(東北編)
第7章 ラストスパート1700キロ(北海道編)