「超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図」椿 進
<所感>
「データを基に世界を正しく見る習慣」が「ファクトフルネス」であるとすると、アフリカはイメージと実態の乖離が最も大きな地域かもしれない。
そもそも一口にアフリカと言っても、54か国あり面積は合計3000万km2(日本の80倍)。
人口は2019年で13億人だが、2025年には25億人になると予想される。
当然、経済圏も大きくなる、、、いや、もうすでに大きくなっていると本書は教えてくれる。
イメージよりもはるかに豊かなアフリカ、そしてその経済規模が今後拡大される。
いまは中国がどんどん参入しているが、ビジネスチャンスがあるもっと日本は知るべし。
そう本書は説く。
ただし国内格差はまだまだ大きなことは課題である。
というかこれはアフリカ諸国が独立した1960年以降から続く、永遠の課題と考える。
名著「国家はなぜ衰退するのか」によれば国家が繁栄するか否かは経済と政治の制度次第という。
その意味では局地的に大きなプロジェクトが勃興しており、今後の発展が望まれるとしても果たして本当の意味で反映していくのかは各国の特に政治制度次第だろう。
と言っても、そんな今後の状況観察よりも、目の前のアフリカ経済への参画を逃してはならないと思うが。
国際的な経済活動は単に利益追求ではなく、外交や安全保障にもかかわってくるので。
ところで、著者が元コンサル出身であるせいか、本書内の図やグラフはどれも著者が創業した会社が作成した自作であり、とても見やすい。
図やグラフの参考図書にも活用できる本である。
<目次>
第1章 アフリカは想像以上に大きくて、若い
第2章 アフリカはどんどん豊かになっている
第3章 アフリカはかつて日本が経験した急成長期にある
第4章 アフリカは先端技術が日本より浸透している
第5章 アフリカは医療テック市場が世界で最も熱い
第6章 アフリカは巨大市場になりつつある
第7章 アフリカは日本企業がもったいない状況にある
第8章 アフリカは国内格差がまだまだ大きい
第9章 アフリカは驚くような巨大開発を行っている
第10章アフリカは4つの進出パターンで勝負する