「モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い」福田ますみ
<所感>
「不登校のバレー部の高校生が自殺、その母親は学校でいじめの形跡があったと主張。学校はいじめを否定」
こんな話を聞くと、どう考えても学校が悪く、事実を隠蔽していると印象を受ける。
その群集心理を巧みにつき、学校や校長、教師に執拗に攻撃をした母親と人権派弁護士の話。
タイトル通り狂人と思える母親が一番の加害者ではあるが、“人権派”弁護士の存在も見逃せない。
事実を見ず、「権力は悪、学校は悪」と固定観念で攻撃に加担する弁護士が人権派と言えるのか。
本書でも「訴える相手にも人権があることをいったいどう考えているのだろうか」とう極真っ当な指摘がなされている。
また、この二人に加えてマスコミの決めつけ報道も見逃せない。
特に「週刊金曜日」の記者が当初から学校とバレー部を激しく非難している。
取材結果ではなく避難ありきの内容で、彼らにとっては「権力は悪、学校は悪」でなくてはならないのだろう。
報道とは?ジャーナリズムとは?と考えさせられる。
いや、もはや単なるイデオロギー発信機関となっていると言い切れるレベルである。
<目次>
第1章 家出
第2章 不登校
第3章 悲報
第4章 最後通牒
第5章 対決
第6章 反撃
第7章 悪魔の証明
第8章 判決
第9章 懲戒
終章 加害者は誰だったのか