「イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→(生み出す)1か?横取りか?」内田和成 編著
<所感>
イノベーションの誤認と再定義をしっかりと言語化してくれる本。
イノベーションは技術革新ではなく、顧客の行動を変えることだという。
先行する他社がいても、まだ付け入る隙はある。
“トンビに油揚げをさらわれるという格言があるが、油揚げをさらったものがイノベーター“
この一文は本書の凝縮だ。(言うまでもなく、油揚げをさらうことは特許侵害等を意味するものではない)
また、イノベーションとなるドライバーは3つ。社会構造、心理変化、技術確認。
社会構造・・・例:人口減少ではなく、独居増による世帯数増加
心理変化・・・例:コロナによる外出控えではなく、居住空間の充実の重視
技術革新・・・自社だけではなく、業界や社会インフラも対象
なによりも本書のイノベーションは組織変革にも通じるものがある。
例えば部署統合。その意義をどこに見出して、どう推進するか。参考になる。
<目次>
序章 イノベーションを問う
第1章 競争戦略としてのイノベーション
第2章 イノベーションのトライアングル
第3章 イノベーションのストリーム
第4章 逆転のイノベーション
第5章 連続するイノベーション
第6章 イノベーション成功への提言