「多様性の科学」マシュー・サイド
多様性が大事。多様性を重視する。
この手の標語が散見される。確かにそれはその通りっぽい。でもなぜか?そんなそもそも論に切り込んでくれるのが本書。
新しいアイディアの組合せが大事という事例がデータとともに示されている。また適切な意思決定には多様な視点や意見が不可欠との例もある。これらを踏まえると多様性が重要が確認でき、多様性こそ正義なんて主張に陥りそうだ。
しかしここが注意点。
著者は副操縦士が機長に意見が言えず飛行機墜落事故となった事例でにおいては「ヒエラルキーと多様性のどちらからを選択するかではなく、両方のメリットをいかにして得るかだ」とのこと。
つまり多様性はひとつの要素にすぎない。
現状において不足しているからといって多様性を呼び掛けるのはそれが要素であるという点を見落とすことには注意しないいけない。
多様性はよいもの
→多様なものを受けいけいれないといけない
→少数意見は正義
→マイノリティをとにかく大事にすべし
このような短絡的思考に陥ることは避ける必要がある。
多様性の位置づけと重要性は高橋祥子 著「ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考」でも以下のように述べられている。組織論的にはこの指摘も忘れてはいけない。
ーーー「何が違うか」を注目する一方で「何が同じか」という同質性にも注目することが重要。企業における多様性は、多様性を作ることを目的とせずに、ある目的を達成したという同質性をもったメンバーで、環境変化に対応する手段として多様性をもつことが本来の多様性ーーー
<目次>
第1章 画一的集団の「死角」
第2章 クローン対反逆者
第3章 不均衡なコミュニケーション
第4章 イノベーション
第5章 エコーチェンバー現象
第6章 平均値の落とし穴
第7章 大局を見る

