アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの個展。
鑑賞するという体験、その結果生まれる知覚・感触、これから芸術に昇華される。
古典的絵画や塑像といった作品自体から何かを感じるかというより、鑑賞者がその肉体を動かして、何かを感じ取るといったところか。
印象に残った作品。
<1>「あたなに今起きてること、起きたこと、これから起こること」
床に置かれたライトによって自分や誰かの影が壁に投影されるという作品。そのせいで、気が付くと壁に近寄ったり、手を上げたり、鑑賞者が作品によって、動かされて、それこそ唯一無二の作品となる。
<2>「おそれてる?」
3枚の円形のガラス板が回転して、その重なり具合で壁に様々な色や形の色鮮やかな影が投影される作品。じっと見ていても飽きないが、空間の反対側に回って見てみるのもよし。
<3>「ビューティー」
霧状の水に光を中てて出来上がる虹の作品。
空間に揺蕩うような光そのものの色合いが美しい。霧の反対側に回り込んで鑑賞もでき、そうすると虹の向こうにいる鑑賞者が朧げに虹に溶け込む。
<4>「ときに川は橋となる」
個展名になっている作品。光と水と影で構成される光と闇の空間が作品。
ある意味、白と黒のモノトーンの世界だがとても鮮やかに感じる。しかし落ち着きもあり、まるで枯山水の庭のようでもある。
本来は6月14日までの展示が9月27日まで延長。
週末は混んでいるようなので、空間自体が作品なのでそれを味わうためにも空いている平日にぜひ。