投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

リベラルアーツ

【書籍】外国語学習に成功する人、しない人 - 第二言語習得論への招待」白井 恭弘

「外国語学習に成功する人、しない人 - 第二言語習得論への招待」白井 恭弘 <所感> 「第二言語習得研究」としてその道の研究者が論じた外国語学習論。 外国語学習となると結局どうしたらいいのか?という点のみが気になってしまう。 大前提は何のため学習…

【書籍】「差別は思いやりでは解決しない ―ジェンダーやLGBTQから考える」神谷 悠一

「差別は思いやりでは解決しない ―ジェンダーやLGBTQから考える」神谷 悠一 <所感> タイトルは「ジェンダーの差別は思いやりで解決しないのはなぜか?」との問いのことである そして本書ではこの問いへの解決策として「LGBT差別禁止法案(仮称)」を…

【書籍】「わたしで最後にして―ナチスの障害者虐殺と優生思想」藤井克徳

「わたしで最後にして―ナチスの障害者虐殺と優生思想」藤井克徳 <所感> ナチスによるユダヤ人の大虐殺は有名だが、そのリハーサルと言える虐殺があった。 優生思想のもとに障害者を多少にした虐殺で、「T4作戦」と呼ばれている。 犠牲者は20万人あまり。 …

【書籍】「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」門田 隆将、竹田 恒泰

「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」門田 隆将、竹田 恒泰 <所感> 題名の質問に一言で答えるならば「日本の国体が破壊されるから」だろう。 しかし、この答えがぱっと理解できない。 なぜならば我々は日本とはどんな国か?国体とは何か?を教えられていない…

【書籍】「東京のレトロ美術館」 からの【美術館】岡本太郎美術館へ

「東京のレトロ美術館」文章:とに~/写真:青山裕企 <内容> 東京の美術館33館を「レトロ」という切り口で紹介した本。 美術作品ではなく美術館そのものにフォーカスしているところが面白い。 写真が豊富だがなぜかジャンプした著者が被写体となっている。…

【書籍】「なぜ脳はアートがわかるのか」エリック・R・カンデル

「なぜ脳はアートがわかるのか」エリック・R・カンデル <所感> 大学生時代に微生物をつかって金属のナノ粒子を合成する研究をした。この時の微生物は異化的金属還元細菌と呼ばれるもの。この「還元」とは物質が原子を受け取る化学反応のことで高校で習うそ…

【書籍】「カキフライが無いなら来なかった」せきしろ、又吉直樹

「カキフライが無いなら来なかった」せきしろ、又吉直樹 五七五の形式ではない俳句である自由律俳句集。そして俳句にまつわるエッセイと写真が少々。 気に入った句と一言。 せきしろ作品 「醤油差しを倒すまでは幸せだった」 幸せな場が些細なことで一辺。誰…

【書籍】「中原中也 (日本語を味わう名詩入門)」 荻原昌好 編

「中原中也 (日本語を味わう名詩入門)」 荻原昌好 編 中原中也は「汚れちまった悲しみに…」で有名で夭逝した詩人。そんな印象だった。 しかし彼の詩にまともに触れたことはなかったので本書を手に取ってみた。 総じてその詩の行間にはもの悲しさと寂しさが見…

【書籍】「人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか」 ブライソン・ビル

「人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか」 ブライソン・ビル <所感> 宇宙と海は冒険の行き先としてラストフロンティアと呼ばれるが、一番身近で永遠の謎は自分の体、人体にある。 人体という究極のシステムを多角的にそして歴史…

【書籍】「神道はなぜ教えがないのか」島田裕巳

「神道はなぜ教えがないのか」島田裕巳 <所感> 神道は宗教というより慣習に近いものだと感じている。 しかし仮に神道を宗教としたときにそこには開祖や教義、経典がないことは他の宗教 と比較するととても特異と言える。 仏教、キリスト教、イスラム教とい…

【書籍】「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」サンキュータツオ

「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」サンキュータツオ <所感> 最後に国語辞典をめくったのはいつだろう・・・しみじみ。 「めくる」という感覚を思い出させる本。 印象的だったのは国語辞典の最高峰と思っていた広辞苑。 収録語20万語のうち、こ…

【書籍】「宇宙を解く唯一の科学熱力学」ポール・セン

「宇宙を解く唯一の科学熱力学」ポール・セン <所感> 理系の高校生または大学の学部1回生の副読本として推奨したい科学史の本。 とにかく、サイモン・シンの「宇宙創成」に通じる面白さ。 とにかく科学史という分野はもっと評価されて欲しい。学問の点と点…

【書籍】「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩 晃太郎

「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩 晃太郎 <所感> 英語力がゼロの文学部の大学生が水中考古学という学問に出会い、感銘を受ける。一念発起し、大学卒業後、アメリカに留学し10年かけて水中考古学者になるという内容。 20代から夢に向かって突っ…

【書籍】「ドストエフスキー 黒い言葉」亀山 郁夫

「ドストエフスキー 黒い言葉」亀山 郁夫 <所感> ドストエフスキーが読みたくなる。そんな本。 もう20年ほど前、ドストエフスキーの「カラーマゾフの兄弟」や「賭博者」にチャンレジをした。 当時は工藤精一郎訳の新潮文庫。 しかし見事に途中で断念。 ロ…

【書籍】「日本の神様の「家系図」」戸部民夫

「日本の神様の「家系図」」戸部民夫 <所感> 「古事記」を中心に日本の神々の系譜がまとめられた本。 各章では①該当する神々に関する神話の概要、②神々の紹介、③神々が祀る代表的神社の紹介で構成される。 正直、概要だけを読むだけでも面白い。 しかし一…

【書籍】「哲学のモノサシ」西研(著)、川島易(絵)

「哲学のモノサシ」西研(著)、川島易(絵) <所感> 挿絵満載の哲学の本。絵本のような感覚で哲学に触れることができる良書。 ここでいう哲学は学問における「哲学」ではなく、その本質である。 Q哲学とは? Aある問いへの答えではなく、問いかけそのもの…

【書籍】「アブダクション 仮説と発見の論理」米盛裕二

<所感> 演繹(deduction)、帰納(induction)に続く第三の推論であるアブダクション(abduction)をこれでもかと語りつくす本。 アブダクションの別名は遡及推論(リトロダクション、retroduction) リンゴの落下→万有引力の法則。この流れは帰納法では導か…

【講演】210527_逆・タイムマシン経営論 楠木 建 

Chatwork Business Day主催の講演メモ 講演「逆・タイムマシン経営論」by 楠木 建 <講演内容> 1)同時代性の罠 ・「既にどこかに未来はある」言いかえると「過去は積み重なっている」 ・同時代性の罠…旬の言説が意思決定の錯誤となること。 →本質の不在が理…

【書籍】「神話と意味」クロード・レヴィ=ストロース

「神話と意味」クロード・レヴィ=ストロース <所感> 矛盾点を凌駕する一つ上のレイヤーで物事をとらえることが弁証法のアプローチ。 著者は神話研究にこのアプローチを当てはめて、そこに意味を与えた。 曰く「外見上の相違点に不変の要素を追求する」。 …

【書籍】「こう読み直せ! 日本の歴史」宮崎 正弘

「こう読み直せ! 日本の歴史」宮崎 正弘 <所感とメモ> ①高志(こし)国 7世紀中盤まで大和政権の統治が及ばない地域あった国。今の福井、石川、富山、新潟、山形。高志→こし→越。なので、福井は越前、富山は越中、新潟は越後(京都に近い位置が「前」とな…

【書籍】「ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考」高橋祥子

「ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考」高橋祥子 <所感> 一言でいうとシンプルに良い本。 生命化学分野のPhDの経営者ならではの視点が満載。 生物学的見地に立脚し、人はどうあるべきか?という指摘が示唆に満ち溢れ、また多角的な視点…

【書籍】「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」河野啓

「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」河野啓 <所感> 「何もしないくらいなら何かした方がよい」という行動至上主義に一石を投じる。 ただし、その主義が生み出された一端は著者によるもかもしれない。 いや一端ではなく発端だったのかも。 主人公の…

【書籍】アルツハイマー征服 下山進

「アルツハイマー征服」下山進 <所感> サイエンス系ノンフィクションではサイモン・シンの「暗号解読」「フェルマーの定理」「宇宙創成」に並ぶ読むべき本。 ただしアルツハイマーが題材ゆえに悲しくも人間味が満載である。内容は本当に現在進行形の話。 …

【書籍】「思考からの逃走」岡嶋裕史

<所感> 我々はAIに何を望むのだろう? AIにアドバイスをもらって就職を決める。 このように意思決定をAIに外部化することが、思考からの逃走である。 この場合、その結果は受け入れられるのか? しかし一方で、人の判断は間違いもある。もっと信用できるも…

【書籍】「日本は本当に「和の国」か」吉木誉絵

「日本は本当に「和の国」か」吉木誉絵 <所感> 「古事記」から日本人のアイデンティティを探る本。 日本の生活の日常には神道が溶け込んでいる。その意味で神道は慣習であり文化であり、宗教ではは無いと考えている。 そういった慣習や文化がその国のアイ…

【書籍】「地球のはしからはしまで走って考えたこと」

「地球のはしからはしまで走って考えたこと」北田雄夫 <所感> 著者はアドベンチャーランナー。アドベンチャーランニングとは砂漠や北極圏といったか過酷な環境でのランニングレースのこと。距離は250kmとか1000kmとか。 大学生時代に400mリレーで日本選手…

【書籍】「拡張するキュレーション 価値を生み出す技術」暮沢 剛巳

<所感> 現代美術において「キュレーター」の重要性が認識されて久しい。 この理由は「陳列」と「展示」の違いを認識することが手助けとなる。陳列はモノ(作品)そのもの。展示はモノの情報の再構築。 こう考えると、美術の古典作品はもう十分にさまざまな…

【書籍】「三島由紀夫スポーツ論集」佐藤秀明 編

<所感> スポーツ観戦記でさえも「三島文学」となることが新鮮であり驚愕する。 三島作品は10代に読み漁ったが、その時に感じた華美ではないが美しい修飾句が散りばめられている。 肉体的コンプレックスの払拭のために三島がボディビルに傾倒していたことは…

【書籍】「議論の掟 議論が苦手な日本人のために」白川司

<所感> 良書。日本語の特性を学び、それを踏まえ日本語の枠を乗り越えることの必要性を説く本。 日本人は議論が苦手、論理的でないとい言われる所以は日本語の特性にある。 特性のひとつは終助詞(…です。…ですね。…ですよ。…ですか。) 議論では相手の意…

【書籍】「スタンフォード式人生を変える運動の科学」ケリー・マクゴニガル

<所感> マラソンやトレランといったエンデュランス系の運動をやり始めてもう10年以上になる。 なぜそこまで継続できているか、虜になっているか。自分の思いが言語化されている。 運動の目的は多種多様である。ストレス解消、ダイエット、気分転換。 しか…