「エッシャー完全解読 なぜ不可能が可能に見えるのか」近藤滋
<所感>
誰もが一度は目にしたことがあるはずのエッシャーのだまし絵。(代表作品のひとつが「滝」)
そのトリックをとにかく解読しようとする著者の心意気がつまった本。
だまし絵の理由が「目の錯覚。以上!」とするのではなく、そこに隠されたテクニックや意図をとことん探る。
そこに見えてきたのはエッシャーのロジックと緻密さ。
エッシャーが本当にそこまで考えていたのか、そこはもはや知る由もない。
ただし著者の分析が確かであれば、画家というよりも研究者と評したい。
何よりもだまし絵の解説を書籍に落とし込んだ著者の筆力もすごい。
著者は生物学の学者なので論文とかでその辺の言語化が慣れているのだろう。
<目次>
第1章 見過ごされていたトリック
第2章 “物見の塔”―演技する人々
第3章 “描く手”―できるはずのない影
第4章 消えた風景画
第5章 “上昇と下降”―見えない継ぎ目
第6章 “画廊”―異世界のつなぎ方
第7章 遠近法の弱点
第8章 “滝”―遠近法の限界を超える
