「どうすればよかったか?」藤野 知明
ある日、統合失調症の症状が現れた姉。そして両親の対応。
それが淡々と、弟である著者があまりに淡々と記録したもの。
表題の問いへの結論は明確だ。「もっと早く適切な治療を受けようとすること」
この家族は父親が医師であったがゆえに、治療にいたるまで時間がかかったようだ。
その期間、なんと25年。あと10年でも早ければ。。著者の忸怩たる思いが伝わる。
このような「市井の人の記録」には大事なメッセージがあるものだ。
また、両親が80代、姉が50代、自分が40代になった家族に対する著者の感想は示唆に富む。
「ふと、この家にはもう変化がおきないのだと思いました。・・・昔なら、これから新しくいく学校のことを話したり未来のことについて話したりしてましたが、もうそんな未来はなかった。このまま同じ状態が繰り返されて、いずれは誰かが亡くなる。・・・子どもがいない家というのは、こうなるのだと思いました」
家族は有機体なのでその在り方は永遠ではない。
しかし次につながる状況があることが希望なのだろう。
<目次>
はじめに
第一章 子供時代の思い出(1966〜1982)
第二章 混乱の日々(1983~1992)
第三章 家族と離れて(1993~2000)
第四章 家族との対話(2001~2008)
第五章 時間を取り戻す(2009~2021)
第六章 姉のいない時間を生きる(2022~2025)
おわりに








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