「「もう一度歩ける」に挑む 救命救急センター「チーム井口」の覚悟」高橋ゆき子
昨年9月。トレランの大会参加。土砂降り。
am 6:30、右足を滑らし、転倒。歩けなくなる。救助を待つ。
am12:00、病院着。右足脱臼骨折と判明。即手術必要。この病院では対応不可ですぐに転院。
pm16:00、転院先の病院で脱臼の手術(4日後に骨折の手術を実施)
怪我発生から手術まで約10時間。
術後は足の指が麻痺しており感覚ゼロ。10か月経過して7割ぐらい復帰。
転倒時に神経までダメージがあったかは不明だが、ここまで回復したのは即日手術のおかげと推測する。
神経系のダメージは
・外傷発生時のダメージ(一次損傷)
・あとから神経が腫れて圧迫されるダメージ(二次損傷)
に分かれる。手術でなんとかできるのは二次損傷のみ。
特に中枢神経のけがとなれば全身の完全まひや下半身不随となり、人生が激変する。
少しでも二次損傷のダメージを減らすには少しでも早く手術をすること。
本書は4時間以内を推奨している。
じゃあ、どこでもそうすべきでは?そうは問屋がおろさない。
この「4時間以内」は登場する医師たちの経験則からくるものであるのでEvidence-Based Medicineとは言えない。それが壁の1つ。
それよりも大きな壁が「4時間以内」に処置できる体制がつくることが非常に難しい。
いかにシステムを作ることができるが、それを運用できるか。
これは医療に限らない。仕事でもどんな組織でもあるだろう。こうすべき。こうしたらいいのに。
その実行の困難さを脊髄損傷を対応する救命救急センターの事例からもまざまざと痛感する。
良書。




