「戦争と交渉の経済学―人はなぜ戦うのか」ブラットマン・クリストファー
<所感>
原因を知ることは対策につながる。
本書では戦争の原因を5つに分けて解説して、戦争を避ける結論への帰着を試みる。
5つの原因ごとに事例は記載されているが、過去の戦争において統計的に5つの原因がどのぐらい当てはまるかの分析が無かった点は残念。
なお、ネタばれだが、こうすれば戦争を回避できるという魔法の杖は存在しない。
本書の結論は誰もが少しずつ正しい方法に歩むという「漸進的平和工学者」になることが大事とのこと。
よって戦争の原因分析からの対応策を考察というより、現実的な平和の意味に気が付くことができる点が本書の重要ポイントだろう。
・平和は必ずしも平等や公平を意味しない
・平和とは武力によらない手段で紛争を処理すること
ただ平和唱えるだけで思考を停止することは平和の上っ面をなぞるだけになる。
<目次>
第1部 戦争を引き起こすもの
第2部 平和をもたらす術
結論 漸進的平和工学者