「チームX – ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方」木下 勝寿
<所感>
チームマネジメントの具体例が学べる本。
気になったのは2点。
1)最重要:KPIの設定と見直し
根幹はPDCAサイクルを回すということであるが、じゃあ、どうやって?という問いを実行しているもの。
一方で、KPIには向き合い方が二つあり、チームには後者のタイプがいることが重要。
1.目の前のことを一生懸命やって、結果としてKPIの達成を目指すタイプ
2.KPIの指標に合わせて、仕事のやり方を変えるタイプ
ゆえにチームマネジメントとにおいては、そのKPIが最も有効なKPIかを絶えず考えなくてはいけない。
ただし、KPIの有効性を図るには、KPIと期待効果のフィードバックが適切なタイミングで定量化できること。
これが一番難しいだろう。
特にタイミング。その効果が1年後にでるものならば、1年間を無駄にする可能性もある。
逆に言うとそれなりのスパンで検証できることがよいKPIの一つの基準とも言える。
組織には暗黙知となっていることが多い。それは得てして属人的である。
少しでも暗黙知を形式知=共有認識とすることが、組織力アップにつながることは自明。
ただしここでのキーは共通言語化。
チーム独自の概念や強みがメンバー間で再生・拡大するために言葉には注意を払う必要がある。
その他、本書が挙げる組織を蝕む問題として「職務定義の刷り込み確認」「お手本依存症」「職務の矮小化現象」「数字万能病」「フォーマット過信病」、これはどれも思い当たることが多々あり。
特にJTC(伝統的な日本企業)ならば当たり率は限りなく高いはず。
一つでも打破することが確実に伸び代となるに違いない。
<目次>
第1部 最悪期から復活までの道のり
第2部 ダブルギネスへの挑戦―異次元の成長期
第3部 5つの「企業組織病」と5つの「Xポイント」