「HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)」
アンドリュー・S・グローブ, ベン・ホロウィッツ
<所感>
マネージャーの仕事を一言で語ることは難しいが、本書の定義はシンプルである。
1.マネージャーのアウトプットは自分の組織のアウトプット。
2.マネージャーの生産性はその組織のアプトプットを多くすること。
マネージャーが着目すべきは自分が影響を持つ組織の成果。これに尽きるという。
その手段としてMTGが重要と説く点は、「25%の時間をMTGに使う組織はダメ」といったドラッカーとは対照的。
本書はMTGには2つの目的と内容「プロセス中心(→情報共有)」と「使命中心(→意思決定)」があり、このために時間を割くことは大事と言っている。特に前者のためにOne on One MTGは大事な手法の一つと位置付ける。
また、特に人事考課においては上司と部下と言う関係は必須とある。
本書は例えば「リーダーの仮面」で語られるマネジメント像とは相反する点が多いが、人事的な上下関係の重要性は共通している。自分が上司になってよいのか?、そのような自己疑念はマネジメントには害しかない。
何度も読み返す価値のある名著。
<目次>
- 序文
- イントロダクション
- 第1部 朝食工場
1章 生産の基本
2章 朝食工場を動かす
- 第2部 経営管理はチームゲームである
3章 経営管理者のテコ作用
4章 ミーティング
5章 決断、決断、また決断•理想的なモデルは
6章 計画化
- 第3部 チームの中のチーム
7章 朝食工場の全国展開へ
8章 ハイブリッド組織
9章 二重所属制度•工場保安係はどこに所属すべきか
10章コントロール方式
- 第4部 選手たち
11章 スポーツとの対比
12章 タスク習熟度
13章人事考課
14章 ふたつのむずかしい仕事•面接
15章 タスク関連フィードバックとしての報酬
16章 なぜ教育訓練が調子の仕事なのか
- 最後にもうひとつ――これからの行動指針チェック・リスト