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【書籍】「太平洋戦争 最後の証言(三部作)」門田隆将

「太平洋戦争 最後の証言(三部作)」門田隆将

第一部 零戦・特攻編 / 第二部 陸軍玉砕編 / 第三部 大和沈没編 

 

<所感>

日本の歴史は「あの」戦争で戦前、戦後と分けられた。この犠牲者の多くは大正生まれだった。

徐々に大正生まれがいなくななり、当事者の生の声が消えていく。

2011年、戦後約60数年経過して、生還した当事者が語るあの戦争の一場面。

本書の特徴は各人の証言を史実を比べていること。その信憑性が担保されている。

また、戦争を語るとき、その是非ひいてはイデオロギー論争になりがちだが、あくまでも客観的に個々人の証言が集められているので、一次資料としても価値があるだろう。

 

生還者であるからこそ証言が語られる。中にはその部隊で唯一の生還者という方もいる。

この3部作では語られることなく消えていった膨大な証言があることを忘れてはならない。

 

また、この戦争はどうして負けたかも着目する必要であろう。

この負けた理由は経営論や組織論の観点で名著「失敗の本質」で考察されている。

ただし、全滅という自明な結果に突き進んだという多くの証言を踏まえると、「負け方を知らなかった」ことがもうひとつ高い視座での理由になると思われる。

  

 

<目次>

1)第一部 零戦・特攻編

第1章 運命の真珠湾

第2章 ミッドウエー痛恨の敗北

第3章 ガダルカナルの激闘

第4章 特攻第一号「敷島隊」指名の真実

第5章 重慶爆撃から特攻までの生き証人

第6章 桜花・神雷部隊の猛者たち

第7章 宇佐航空隊“全滅”の悲劇

第8章 二度生還した陸軍特攻隊員の回想

第9章 突入しても助かった白菊特攻隊員の奇跡

第10章 生き残った戦士の思い

 

2)第二部 陸軍玉砕編

第1章 悲劇の序章「ガダルカナル」の死闘

第2章 血肉をすすったニューギニア戦線

第3章 インパール作戦「白骨街道」の屍

第4章 玉砕の島「サイパン」の赤い花

第5章 レイテ島「八万人」の慟哭

第6章 二十万人戦死「ルソン島」の殺戮現場

第7章 玉砕「硫黄島」奇跡の生還者

第8章 癒えることなき「沖縄戦」の傷痕

第9章 ソ連軍急襲「占守島」の激闘

 

3)第三部 大和沈没編

重い口を開いた作戦参謀

極秘建造された巨大戦艦

姿を現わした大和

痛恨のミッドウエー海戦

「鉄の城」と「大和ホテル」

マリアナ沖海戦

レイテ決戦「巨砲」の咆哮

人生最後の帰郷

来る者、去る者

温情の「最後の上陸」

出撃を見送った桜

猛火の中で

奇跡の脱出

鎮魂の海