「日本殱滅 - 日本本土侵攻作戦の全貌」トーマス・アレン、ノーマン・ポーマー
<所感>
副題が全て。
大東亜戦争こと先の大戦では開戦当初からアメリカは日本本土進攻を計画していた。
(南九州上陸はオリンピック作戦、関東上陸はコロネット作戦と呼ばれた)
そして何よりも2つの原子爆弾の投下理由として「早期に戦争させて被害者を最小限にするという」名目だったと正当化しているのが本書。
ザ・加害者の論理。
そもそも原爆は2発も必要だったのか。
原爆投下前の同年3月の東京大空襲では犠牲者10万人。
加害者の論理にはつっこみどころが満載である。
ただし、アメリカが開戦当初から本土上陸までを想定していたこと、スターリンとルーズヴェルト間の協議というかヤルタ会談が日ソ不可侵条約破棄につながったことは忘れてはいけない。
何事も「長期展望が重要」であり「裏切りはあるもの」をいう点を再確認できる。
日本本土進攻作戦以外の日本側の現状はアメリカ史観で書かれているが、ここにどれだけ共産党(コミンテル)のスパイ工作が影響しているのか。この点はいつか後世で明らかにされて欲しい。
(最新はフーバー「裏切られた自由」で少しずつ解明されているが)
<目次>
プロローグ シャングリラから来た兵士たち
第1章 オレンジ戦争計画
第2章 日本に続く血みどろの道
第3章 勝利は空から
第4章 壊滅まで350マイル
第5章 トルーマンの戦争
第6章 頂上めざして
第7章 敵
第8章 戦慄の兵器
第9章 大統領の選択
第10章 上陸開始
第11章 目標―東京
第12章 降伏への道
エピローグ 「死ぬのは誰の息子か…?」