「半導体戦争 - 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」クリス・ミラー
<所感>
工業的現代技術の結晶といえる半導体。しかしその歴史は短いがとても濃い。
その濃度を丁度読みやすくまとめた本書もそんな結晶の一つかもしれない。
癌という病の歴史を極上に纏めた本が「がん‐4000年の歴史」ならば、本書はその半導体バージョンだろう。
半導体とは何か、その種類はどんなものがあるか。
その類は雑誌の特集などに任せておけばいい。
とにかく連綿と続く半導体の発展の歴史とその重要性がわかる。
いま、10代ならばきっとその道に行きたいと感じることだろう。
ちなみに半導体の歴史というよりも投資家観点で読んでもよいだろう。
本書を読んだのは23年末~24年始にかけてだが、NVIDIAの重要性に遅ればせながら納得して株を購入。
本書は2700円といい値段。しかしNVIDIA株のおかげで元は十分取れている状態なので、その意味でも5つ星をつけたい笑
最後に一言。
政府は、特に経産省が国策的な産業政策を進めるのはよい。
しかしその場合は先導役となることなかれ。
とにかく民間企業がやりやすい仕組みや制度作りといった黒子に徹してほしい。
<目次>
第1部 半導体の黎明期
第3部 日本の台頭
第4部 アメリカの復活
第5部 集積回路が世界をひとつにする
第6部 イノベーションは海外へ
第7部 中国の挑戦
第8部 武器化する半導体