<メモ>
・日本の繊維業界の昭和初期から現在(ユニクロやZOZO)までを書いた巨編。
軽工業の雄であった繊維産業の栄光と変革が見事に書かれている。
・ワンマン社長経営、新興勢力、業界再編、物言う株主など臨場感満載。
・バブル崩壊後の経済状況しか知らない40代以下の世代には、バブル期のような、やればやるほど成果が出たという経済環境には隔世の感を禁じ得ない。
<所感>
黒木亮に外れ無しが再確認できる一冊。
全470ページで280ページからは時代は平成。過去の歴史の話ではなく、自分が生きた時代を生々しく感じることができ、ひらすらページをめくってしまう。
尚、黒木亮は他にも名作が多い。
「アジアの隼」・・・商社の発電所案件の話。発電所案件にかかわったことがあれば
面白さ倍増。
「冬の喝采」・・・元長距離選手であった著者の自叙伝。ランナーであればあれば面
白さ倍増。
「トリプルA:小説格付会社」・・・タイトル通り格付け会社の話。格付けに触れた
ことがあれば面白さ倍増。
「排出権商人」・・・環境保護の名の元で排出権をビジネスにする話。環境問題至上
主義&読解力があれば面白さ倍増。