<所感>
元財務省(旧大蔵省)官僚の高橋氏は徹底的に財務省が主張する経済破綻論を論破する。
高橋氏が財務省を語る内容は本書に限らず、どれも似通っている。
しかし何冊も書いているというはもはや、何回も言わないと通じない。そして言っても通じてないという現状があるからだろう。
東大数学科出身というとてつもない秀才であり、プリンストン大留学時にバーナンキ(FRB議長)、クルーグマン(ノーベル経済学賞)に師事した高橋氏の主張はとても論理的。
だが、財務省の主張はかわらず、日本は赤字が多いから破綻する。
だからとにかく金を使うな(=財政緊縮せよ)というものだ。
家庭に例えると収入が500万円なのに支出が600万円の一家は、まず支出を減らせというもの。
そもそも家庭と国では収入の概念が違うし、資産を見ていてないのでツッコミどころ満載なのだが。。
資産の視点は例えばこんな感じ。
トヨタ自動車。23年度末負債は45兆円。
一方で、ABC株式会社(仮名)の負債は100万円。
このどちらからに100億円を貸すならばどちらだろうか?
負債の少ないABC株式会社だろうか?
きっとほとんどの人が45兆円の負債をもつトヨタ自動車と答えるだろう。
どうしてそう考えたか?
その視点を持たずに日本破綻を誇示し続ける組織が最強省庁と言われる財務省である。
<目次>
序 章 矢野論文の評価はゼロ点
第1章 岸田政権下でのZの暗躍
第2章 ケチでがめつい天下り集団
第3章 省益を優先する功罪
第4章 財政破綻を煽る手口
第5章 Zを解体する方法