「言語学的ラップの世界」川原 繁人
<所感>
言語学者によるラップの分析。一見、カジュアルな内容だがかなり踏み込んでいる。
なんとも面白い。
単に韻=母音を揃えるということではなく、子音も重要と言う*
*言語音は共鳴音(「なまらやらわ」行)と阻害音(「かさたは」行。濁音が付く)にわかれる。
韻を踏む場合はどちらからの音で合わせることが重要と分析する等
驚くのはラッパーはそんな言語学的な分析を学問的用語を使わずとも、韻に盛り込んでいるということ。
きっとラッパーに限らず、歌人、詩人や作家といった言語芸術の一流レベルの人はそうなのだろう。
そしてきっと自分のような凡人たる人間は言語学を学ぶことで、言語芸術をより深く堪能できるはずなのである。
<目次>
第2部 言語学的ラップの世界
第3部 日本語ラップの現在地