「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」河野啓
<所感>
「何もしないくらいなら何かした方がよい」という行動至上主義に一石を投じる。
ただし、その主義が生み出された一端は著者によるもかもしれない。
いや一端ではなく発端だったのかも。
主人公の栗城氏の功績は「七大陸最高峰単独無酸素で登頂を目指す」という、多くの人には心に刺さりがちが言葉を生み出したことだろう。間違いなく人を巻き込む力はあった。そしてそれが全てだった。
<目次>
序幕 真冬の墓地
第一幕 お笑いタレントになりたかった登山家
第二幕 奇跡を起こす男と応援団
第三幕 遺体の名は「ジャパニーズ・ガール」
第四幕 エベレストを目指す「ビジネスマン」
第五幕 夢の共有
第六幕 開演! エベレスト劇場
第七幕 婚約破棄と取材の終わり
第八幕 登頂のタイミングは「占い」で決める?
第九幕 両手の指九本を切断
第十幕 再起と炎上
第十一幕 彼自身の「見えない山」
第十二幕 終演~「神」の降臨~
最終幕 単独
あとがき