「解像度を上げる」馬田 隆明
<所感>
思考系の本の最も実務的に活用できる本ではないだろうか。ベスト
解像度を「深さ」「広さ」「構造」「時間」に分類し、とにかく深さが大事という。
この深さに関する章だけでも本書を読む価値がある。
気になった点は以下の内容だが、特に情報を構造化するという指摘は顧みるべき点。
とかく顧客との折衝時にはQCDのフレームワークを埋める作業に陥りがちなので、この点は改善したい。
また、why so?の使い方はこと部下に対して攻撃と思われるような使い方は厳禁である。
ポイント
・「深さ」のためには現場での生の情報取集が必要。
ただし、情報収集で終わらずに構造化することが必須。
・「広さ」はツリーで可視化する。ツリーは深さと広さで構成される。
注意すべきはツリーは時間的に変化すると理解しておくこと。
・シンプル至上主義がはびこる。しかし世の中の課題は得てして複雑な要素が絡み合っている。
複雑なことは複雑と理解して、重要なポイントがわかることが大事。
・行動量を増やすことは重要。情報や思考が粗くても、行動する。
・課題の検討には文章で、とにかく長文で書き出す。とにかく書く。
・インタビューの注意点
- 顧客の意見ではなく、事実を聞く。
- 事前に質問を決めつつ、状況に応じて自由な質問をする半構造化インタビューがよい。
・why so?の問合せを攻撃に使わない
<目次>
1 解像度を上げる4つの視点
2 あなたの今の解像度を診断しよう
3 まず行動する・粘り強く取り組む・型を意識する
4 課題の解像度を上げる―「深さ」
5 課題の解像度を上げる―「広さ」「構造」「時間」
6 解決策の解像度を上げる―「深さ」「広さ」「構造」「時間」
7 実験して検証する
8 未来の解像度を上げる