「狭小邸宅」新庄耕
<所感>
戸建て住宅販売員の若者を書いた小説。
前半は結果を出せない自分と克明すぎるそのブラック企業ぶりの描写が印象的。
後半は実績がついてくるが何か満たされないという葛藤が見事に行間に表現されている。
なんのために仕事をするのか。
年月を重ねるとそれすら思わなくなることもある。
そう考えるとそんな自問自答は若さゆえのかもしれない。
きっと自分には他の可能性があるからそう感じるのかもしれない。
仕事でどんなに結果を出しても不安がある。
仕事以外の世界が無いと思うからそう考えてしまうのだろう。