<所感>
年始に際して、再読。
「考えること」の重要性とそのやり方を説く本。「自分で考えること」。そんなことは日々と感じつつ、実はできていないことが多い。大事なのはその点に気が付いて、一つでも実践すること。
1)知識と思考
考えること(思考)の障壁は知っていること(知識)。ここが最大のポイント。
思考は未来に、知識は過去に目を向けたもの。
つまりなまじ知識があると、「あたかも自分で考えたような」結論に帰着する。ここが問題。
ましてその知識が間違っているとどうしようもない。
2)思考に際するポイント
①前提:意思決定のプロセスを決める。どんな条件、状態ならばこのように決定するか。
②やり方:まずは比較。できるだけ縦横の二軸で比較する。
さまざまな判断軸がある中、その優先順位を付けて2つ選び出すことが大事。そうでないと発散するだけ。
3)思考は何のため?
知識(≒情報)収集が容易になった現代では知識の過多には価値がなく、また消費期限も短い。
つまり知識はコモディティとなった。よって思考がより重要になる。
また、逆の視点から言えば、情報リテラシーを高めるためとも言える。
テレビや新聞が情報を支配していた情報を持っているものが強者でり、方向性に大きな影響力をもった時代は崩壊しつつある。(も受け手の年代によるが)
そんな中ではどんな知識(情報)においても、「本当にそう言えるのか?」とリテラシーを持つことが必須。
強者の論理に盲目的賛同し、誘導されないないためにも。
<目次と一言(→)>
序 「知っている」と「考える」はまったく別モノ―プロ野球の未来について考えてみよう
→知識は思考の邪魔をしがち。
1 最初に考えるべき「決めるプロセス」―会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?
→「とりあえず検討しましょう」と始めがちな会議へのアンチテーゼ。
2 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと―合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです
→一次情報を読み解くことが大事。
3 あらゆる可能性を検討しよう―日本にも格安生活圏が必要では?
→モレのない考え方。
4 縦と横に比べてみよう―戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道
→とにかくまずは比較。
5 判断基準はシンプルが一番―婚活女子を見習おう!
→あるべき姿がないと判断軸は選べない。
6 レベルをそろえて考えよう―生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた
→いわゆるレイヤーを揃えましょうということ。
7 情報ではなく「フィルター」が大事―就活のための企業研究が無意味なワケ
→フィルターは変化する。
8 データはトコトン追い詰めよう―自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?
→データの深堀方法。
9 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する―階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!
→思考を、まずは言語化、次は可視化。
終 知識は「思考の棚」に整理しよう―世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってた
→知識は不要ではなく、思考のために活用するもの。