「起業の天才 江副浩正8兆円企業リクルートをつくった男」大西康之
<所感>
Googleは検索連動型広告で世の中を変えた。それを紙の時代で実現した会社が日本にあった。それがリクルートという会社。
「情報」の価値を見出し、「マス層」から「ターゲットユーザー」に広告を展開する。後から振り返るとそのビジネスモデルは時代を先んじていたという一言になるのだろう。しかしそこに目を付けてやりとえる。合言葉はグレーゾーンはセーフ。そんな稀代の経営者の話。
リクルートと言うとどうしてもリクルート事件のイメージが強い。しかもこの事件、事件と言うのでとにかく悪い事としての浅い認識だったが、その内容を見てみてると本当に有罪となるのか疑問がわく(判決が確定しているとはいえ)。世論が違法と裁定させたとしか見えない。
経営者とはどうあるべきか。清濁が必要。
起業はどうあるべきか。優秀な仲間と変革も必要。
江副氏は時価総額ランキングをGAFAMや中国企業に占有される日本企業の現在をどう見ているのだろうか。
文字通りページをめくる手が止まらないくらいの面白さがある本。450ページ超の大作なので、寝不足注意。
<目次>
第1部 1960(ユニコーンの誕生;紙のグーグル;進撃のダイバーシティー;「日本型経営」を叩き潰せ;APPI;打倒Y)
第2部 1984(江副か稲盛か;森田の未来、真藤の未来、江副の未来;情報の海へ―ALL HANDS ON DECK!(総員配置につけ!))
第3部 1989―昭和の終焉・平成の夜明け(変容;情報が人間を熱くする;世紀のスクープ;反転;「おまえら。もっといかがわしくなれ!」)