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【書籍】「父がひとりで死んでいた 離れて暮らす親のために今できること」如月サラ

「父がひとりで死んでいた 離れて暮らす親のために今できること」如月サラ

 

<所感>

東京は日本中の田舎モノ集まる場所。半分は地方出身者でと聞いたことがある。

多くの人は故郷に実家があり、親が住んでいるだろう。そしていつか寿命を迎える時が来る現実がある。

このいつかの現実は地方出身者東京在住の自分にもくる現実だ。

 

いつのころから「終活」という言葉が一般的になった。

死の話題は言霊信仰の日本におけるタブーのひとつだが、残された家族や近親者への影響を考えると、その準備は必然と理解できる。

だから、その重要性はわかる。

しかし、この本は単に終活という話ではなく、誰もいなくなった実家の中の虚無の空気感が何よりも切ない。

さらにその後、具体的にどんな対応に迫られるかという描写があまりに具体的でつらい。

 

自分にもいつかくる。いつだろう。遅くとも30年後か。もしかしたらもっと近い未来か。

その時に自分は何歳だろう。肉体的にしっかりと対応できるのだろうか。

さらに金銭面は?精神面は?

 

また本書では地元の友人が協力する記述が多々見られる。持つべきものは友人である。人生とはそんなものなのかもしれない。

 

故郷から実家から離れて暮らしてこの本を読む人へ、ひとつ注意点。決して電車やカフェで読んではいけない。

涙が止まらなくなるので、自宅で一人でこっそりと。

 

<目次>

【目次より】

第1章   ある寒い冬の日、遠く離れて暮らす父が孤独死していた

第2章   自室でひとり死んだ父は、最期まで生きようとしていた

第3章   父亡き後に残された老猫4匹   東京への移動大作戦を敢行

第4章   「ごめんねえ、お父さん」遺影を見て認知症の母は言った

第5章   父が亡くなり母は施設へ   残る無人の一軒家と維持費問題

第6章   住む人のいなくなった実家は驚く速さで荒れ果てていった

第7章   「号泣するなんて恥」父の死を悲しむ自分が許せなかった

第8章   私には緊急連絡先がない   ひとり老いてゆく未来を考えた

第9章   無人の実家に通いながら考えた、これからの仕事のこと

第10章  一番仲良しの叔母が亡くなった   そう知った認知症の母は

第11章  故郷を遠ざけてきた私を、友人たちは近くで支えてくれた

第12章  父の死が紡いでくれた新たな「縁」   生きてゆく力になる

終章    父がひとりで死んでいた-   ひとり娘から父への手紙