「戦略「脳」を鍛える」御立尚資
<所感>
良書。2004年発刊で廃版になっている本だが、再版を求めたい。
内容。
戦略の定形パターンだけ必ず勝てることは無く、状況に応じた戦略が必要。
戦略がコモディティ化した際に必要なことは何か?が大事。
何か=インサイト=勝てる戦略の構築に必要な頭の使い方ならびその結果として得られるユニークな視座。
この言語化は非常に難しいはずだが、なんとか言語化されている点が本書のすごいところ。
「ユニークな視座=定石+インサイト」
定石が大事であるという点はまさに将棋のようなもの。
守破離で言われるように守が必要と言うことか。
考え方のヒント①:グラフ化
グラフ化には自分の思考と表現したい事象をモデル化することと同義。
モデル化できればシミュレーションができる。
これこそが図で考えることと異なる点。
考え方のヒント②:思考のプロセスのチェック
その答えに行きつくまでのプロセスを振り返る。頭の使い方は誰でもクセがあるので。
考え方のヒント③:脱平均
グラフ発想では脱平均を考える。
データ集めの際も数を増やすと平均化されるだけ。一人のユーザーになりきって本当は何を感じているかを理解すること必要。
考え方のヒント④:モノの見方をずらす
物事のメカニズムを3つの要素・・・誰が(ユーザータイプ)、どこで(アプリケーション)、なぜ(ベネフィット)
その後に一つづずつ要素をシフトさせてみる。
インサイトを身に着けることは難しい。
一人でできなくても企業の場合はチームで生み出す。
そのためのチームは異質の集団であることがよい。
例えば戦略を立案するチームが同質の人材ばかりならばこれこそ多様性導入策が必要。
<目次>
第1章 インサイトが戦略に命を吹き込む
第2章 思考の「スピード」を上げる
第3章 三種類のレンズで発想力を身につける
第4章 インサイトを生み出す「頭の使い方」を体験する
第5章 チーム力でインサイトを生み出す