Chatwork Business Day主催の講演メモ
講演「逆・タイムマシン経営論」by 楠木 建
<講演内容>
1)同時代性の罠
・「既にどこかに未来はある」言いかえると「過去は積み重なっている」
・同時代性の罠…旬の言説が意思決定の錯誤となること。
→本質の不在が理由。本質とは変化の中にも一貫性があること。
そのためには?過去に遡ることが大事。
例:「インターネットで仕事がなくなる」。ITで、AIで、DXで。。
毎年、産業革命を謳い同時代性の罠を喧伝するのが日経ビジネス。
2)手段の目的化
・同時代性の罠に陥る原因は手段の目的化。
・具体的にやること(手段)を箇条書きにすると文脈剥離に陥る。
例「シナジーを発揮する!」。これを合言葉にするのは二流の経営者。シナジーは目的ではなく結果。
・戦略はストーリー。時間的奥行きと広がりがある。単に手段を組み合わせることではない。
・戦略の醍醐味=少しの改善でドラスティックな手法が無くても長期利益が伸びる。
3)アクション事項
一つのテーマの半年前の記事を読む。本質は何か?誰が本物か?
<所感>
「ストーリーとしての競争戦略」の著者の講演。
VUCAと評される変化の多い現在において、過去を振り返る事の大事さとという視点は参考となる。1年前を振り変えるだけでも同時代性の罠からは脱却できるだろう。
また手段の目的化は、本当にあるあるで困る。
事業方針など大局的なやるべきことは、箇条書きではなく、文章(ストーリー)として書いて表現することが改善策だろう。
ところで、この「書き出す」という作業はシンプルだがとても効果的な手段。
ペーパーレス化で仕事において紙が忌避される昨今だが、思考においては紙は重要で必須アイテム。個人的にはA4コピー用紙、ジェットストリームのボールペン、バインダー。これが3種の神器。