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【講演】210527_逆・タイムマシン経営論 楠木 建 

Chatwork Business Day主催の講演メモ

 講演「逆・タイムマシン経営論」by 楠木 建

 <講演内容>

1)同時代性の罠

・「既にどこかに未来はある」言いかえると「過去は積み重なっている」

・同時代性の罠…旬の言説が意思決定の錯誤となること。

→本質の不在が理由。本質とは変化の中にも一貫性があること。

そのためには?過去に遡ることが大事。

例:「インターネットで仕事がなくなる」。ITで、AIで、DXで。。

毎年、産業革命を謳い同時代性の罠を喧伝するのが日経ビジネス

 

2)手段の目的化

・同時代性の罠に陥る原因は手段の目的化。

・具体的にやること(手段)を箇条書きにすると文脈剥離に陥る。

例「シナジーを発揮する!」。これを合言葉にするのは二流の経営者。シナジーは目的ではなく結果。

・戦略はストーリー。時間的奥行きと広がりがある。単に手段を組み合わせることではない。

・戦略の醍醐味=少しの改善でドラスティックな手法が無くても長期利益が伸びる。

 

3)アクション事項

一つのテーマの半年前の記事を読む。本質は何か?誰が本物か?

 

<所感>

「ストーリーとしての競争戦略」の著者の講演。

VUCAと評される変化の多い現在において、過去を振り返る事の大事さとという視点は参考となる。1年前を振り変えるだけでも同時代性の罠からは脱却できるだろう。

また手段の目的化は、本当にあるあるで困る。

事業方針など大局的なやるべきことは、箇条書きではなく、文章(ストーリー)として書いて表現することが改善策だろう。

 

ところで、この「書き出す」という作業はシンプルだがとても効果的な手段。

ペーパーレス化で仕事において紙が忌避される昨今だが、思考においては紙は重要で必須アイテム。個人的にはA4コピー用紙、ジェットストリームのボールペン、バインダー。これが3種の神器。