「日本共産党暗黒の百年史」松崎いたる
<所感>
共産主義とは何か?という問いには学術的にいろいろな答えがあるだろう。
しかし、日本の共産党とは何か?と問われたとき回答は極シンプルである。
その理由は本書を読めばよくわかる。
(本書は400ページ以上あるが非常に読みやすい文章だ)
共産党に除籍された著者が語る日本共産党100年の歴史はイメージ(共産党の主張)と実態をつまびらかにしている。
イメージ:共産党は弱者の味方
実態:弱者の見方を振りした一党独裁体制であり、個々の党員の意思は無視。
イメージ:共産主義に基づく論理がある
実態:都合のいい解釈と巧みな言葉遣いによる言い訳。
近年、党員の高齢化で党員数の現状が顕著である実態をうけて、共産とは聞こえのいい主張が活発である。
自衛隊は即撤廃とは言わない。天皇制*に理解を示すような態度を示す。(ちなみに 「天皇制」は共産党用語)
樹木が朽ちるように20年後には日本共産党は風化しているだろうがそれを待つことが正解とは感じられない。
<目次>
序章 幹部たちの歴史観とつくられる「党史」
1章 神にされた男 市川正一の生涯
2章 モスクワ生まれの「粗製乱造的」党
3章 リンチ死事件の真相
5章 中国共産党との関係
6章 除名された人々―多様性をゆるさぬ民主集中制
7章 「退廃との闘争」と優生思想