「経済学者が語るスポーツの力」佐々木勝
<所感>
興味深かったのは2点。
①スポーツすることは社会人に役に立つはず
認知スキル…国語、数学、英語などの学習指導要領によるスキル
非認知スキル…協調性、自己管理、統率力、忍耐力、思いやりなど
スポーツは非認知スキルを培う絶好の手段であり、非認知スキルこそ社会人に重要なスキル。
自分にスキルはあるか?この問いの答えは自分がやっている(いた)スポーツから見出すことができる。
その意味ではスポーツをすることは有用。
②マラソンは目標達成より損失回避行動が露骨なスポーツ
市民ランナーのマラソンの目標タイムはキリがよい時間が多い(サブ4=4時間切り、サブ3.5=3時間半間切り)
目標タイムが未達成なら大きな後悔となるので、この後悔回避のために走るランナーが多数。
これが損失回避。
市民ランナーのマラソン大会のタイムの分布表を見ると4時間や3時間半切り間際のランナーが多い。
しかし、ハーフマラソンや10kmの大会ではこのような分布にはならない。
マラソンは特殊である。
<目次>
第1章 スポーツから非認知スキルを習得できるか?
第2章 スポーツが女性の社会進出を後押しするか?
第3章 スポーツで目標を達成する力を伸ばせるか?
第4章 選手への報酬を増やせば勝てるのか?
第5章 多様な人材がチームを強くするか?
第6章 企業がスポーツ・チームを持つのは得なのか?
第7章 企業にスポーツ支援を頼りきりでよいのか?
第8章 オリンピックに経済効果はあるのか?
第9章 高齢者のスポーツ参加で介護費用は抑えられるか?