「知事失格―リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘」小林 一哉
<所感>
率直な感想は取材が綿密過ぎるなあ、という点。本当に丹念に取材されている。
そして本編。東京~大阪を67分で移動できるリニア中央新幹線という国家プロジェクト。
開通予定がどんどん遅れているが、この理由は静岡工区の着工遅れであり、その理由は静岡県知事が工事の着工を反対しているから。
その理由はもはや反対のための反対としか言えないもの。
あまりに意固地に反対を貫くスタンス。その背後には何か特別な理由があるのでは・・・と邪推したくなるが、本書その点に敢えて触れていない。
事実を重ねて理不尽な反対を堅持する静岡知事の姿勢を淡々と糾弾する。
川勝 静岡県知事は本書に抗弁しては?できない判断して無視するかもしれないが。
しかし、リニアは国家プロジェクトだ。国家プロジェクトが一人の知事の意向でストップしていいのだろうか。
そういや、知事の職務ではない安全保障体制推進の邪魔にご熱心な南の県の知事もいるが。
<目次>
1章 川勝知事「命の水」の真っ赤な嘘
2章 静岡県庁のごまかし全内幕
3章 県庁ぐるみの著作権法違反事件
4章 川勝知事の暴言録
5章 国交省の愚かな“敗北”
6章 確執の根源 静岡空港新駅