「
- 善の循環とは何か」高橋 浩夫
<所感>
YKKの経営で着目したいのは要素は本社が東京だが実質的に本拠地は富山県の黒部であるということ。
茨城県日立における日立製作所、愛知県豊田市におけるトヨタ自動車というような感じか。
創業者が富山県出身だからなのが、富山県外出身者が働こうとする場合にこの勤務地はネガティブ要素となっているはず。
ここが地方のネック。いくら北陸新幹線ができたとしても、だ。
そう考えるとひとつの企業に頼るのではなくいかに地域として経済貢献できる土壌や土台がつくれるか。
ここが大事。とてつもなく難しいけれども。
ちなみに著者はこのような会社分析書を書くのは本書で3冊目。
その前の企業はネスレ、そしてジョンソン・エンド・ジョンソン。
ここに継ぐのがYKKというのは意義深い。
<目次>
今、なぜYKK経営なのか―株主資本主義とステークホルダー資本主義を巡って
ファスナーの出会いと吉田忠雄の挑戦
ファスナーのルーツとYKKの国際競争力
事業概況と独自の経営体制
グローバル事業展開への道のり
グローバルR&D体制
トップの国際マインドと人財育成
建材事業への進出―ファスナーを超えるYKK AP
YKKの「食」への挑戦
黒部から世界へ
YKKから学ぶもの