投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

【書籍】「スタンフォード式人生を変える運動の科学」ケリー・マクゴニガル

<所感>

ラソンやトレランといったエンデュランス系の運動をやり始めてもう10年以上になる。

なぜそこまで継続できているか、虜になっているか。自分の思いが言語化されている。

 

運動の目的は多種多様である。ストレス解消、ダイエット、気分転換。

しかし例えば長距離トレランの大会に参加する場合を考える。

 

・土日がつぶれる(大会によってはさらなる日数)

・出費が多い(参加費、移動費、宿泊費、装備品)

・レース中は猛烈にシンドイ。レース後はすさまじい筋肉痛と疲労感。

 

この点があっても参加する。単に気分転換するにはあまりに非合理である。

では、どうしてか?

 

その理由は

①苦しみの中に意味を見出すため。それは、苦難を乗り越える方法につながるから。

②集団的な高揚感に伴う喜びを感じるため。

 

ちなみにトレランの世界では長距離は100km以上であり、スタンダードは100マイル(160km)。

110kmのレースは一度だけ参加した経験があるが、100マイルは未知の世界。

いつかは、100マイルを。そして極限の苦しさ味わい、その意味を見出したい。

 

<目次と一言(→)>

はじめに

第1章 持久力が高揚感をもたらす

ランナーズハイはランニングの結果ではなく、持久力発揮の結果。

第2章 夢中になる

→運動することが運動欲求を高める。

第3章 集団的な喜び

→みんなでやるから面白い。

第4章 音楽に身をまかせる

→キツいトレーニングのときにはテンションのあがる音楽を。

第5章 困難を乗り越える

→自分を自信じる、仲間と協力する。

第6章 いまを大切に生きる

→運動することで「今、この瞬間」を感じることができる。

第7章 ともに耐え抜く

→レース中、みんなで苦しむ。これこそが喜びにつながる。

【書籍】「自分のアタマで考えよう」ちきりん

 

<所感>

年始に際して、再読。

「考えること」の重要性とそのやり方を説く本。「自分で考えること」。そんなことは日々と感じつつ、実はできていないことが多い。大事なのはその点に気が付いて、一つでも実践すること。

 

 1)知識と思考

考えること(思考)の障壁は知っていること(知識)。ここが最大のポイント。

思考は未来に、知識は過去に目を向けたもの。

つまりなまじ知識があると、「あたかも自分で考えたような」結論に帰着する。ここが問題。

ましてその知識が間違っているとどうしようもない。

 

2)思考に際するポイント

①前提:意思決定のプロセスを決める。どんな条件、状態ならばこのように決定するか。

②やり方:まずは比較。できるだけ縦横の二軸で比較する。

さまざまな判断軸がある中、その優先順位を付けて2つ選び出すことが大事。そうでないと発散するだけ。

 

3)思考は何のため?

知識(≒情報)収集が容易になった現代では知識の過多には価値がなく、また消費期限も短い。

つまり知識はコモディティとなった。よって思考がより重要になる。

 

また、逆の視点から言えば、情報リテラシーを高めるためとも言える。

テレビや新聞が情報を支配していた情報を持っているものが強者でり、方向性に大きな影響力をもった時代は崩壊しつつある。(も受け手の年代によるが)

そんな中ではどんな知識(情報)においても、「本当にそう言えるのか?」とリテラシーを持つことが必須。

強者の論理に盲目的賛同し、誘導されないないためにも。

 

<目次と一言(→)>

序 「知っている」と「考える」はまったく別モノ―プロ野球の未来について考えてみよう

→知識は思考の邪魔をしがち。

1 最初に考えるべき「決めるプロセス」―会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?

→「とりあえず検討しましょう」と始めがちな会議へのアンチテーゼ。

2 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと―合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです

→一次情報を読み解くことが大事。

3 あらゆる可能性を検討しよう―日本にも格安生活圏が必要では?

→モレのない考え方。

4 縦と横に比べてみよう―戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道

→とにかくまずは比較。

5 判断基準はシンプルが一番―婚活女子を見習おう!

→あるべき姿がないと判断軸は選べない。

6 レベルをそろえて考えよう―生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた

→いわゆるレイヤーを揃えましょうということ。

7 情報ではなく「フィルター」が大事―就活のための企業研究が無意味なワケ

→フィルターは変化する。

8 データはトコトン追い詰めよう―自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?

→データの深堀方法。

9 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する―階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!

→思考を、まずは言語化、次は可視化。

終 知識は「思考の棚」に整理しよう―世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってた

→知識は不要ではなく、思考のために活用するもの。

【書籍】「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」ラス・ハリス

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」ラス・ハリス

 

<所感>

「マインドフルネス」も包含したACT(Acceptance and commitment therapy、アクト)という療法の本。目的は幸福になるため。ここでの幸福は「意味のある人生」の意。

幸福を追求するというと怪しげな宗教チックになるが、言い換えると生きるに値するための人生を創造するための方法論が書かれている。

 

1)ACTの考え

ACTできることは多い。ストレスと不安の軽減、自己破壊的習慣をやめるなど。

しかしそもそも、そんなネガティブな思考や感情を抑圧(コントロール)できれば問題ない。

ただし「抑圧」には多大なエネルギーが必要、長期的に効果が無くなる、無理をして生活の質を落とすという欠点がある。

よって、コントロールといっても抑圧はなく回避が大事という。

病気でいうと治療よりも予防のアプローチに似ている。

 

2)どうやって回避するか?

マインドフルネスに基づく価値判断をもち行動すること。

 

まずは思考する自分と観察する自分は異なるということを把握する。

特に事実と考えていた思考を客観視して、距離感を取り観察することは効果的な作戦のひとつ。

例 「私は失敗しそうだ」→「私は「私は失敗しそうだ」と思っている」

この事例の言語化方法は参考になる。

 

3)まとめ

ACTの行動原理は自分ができることを愚直に何度でもやってみることだと理解される。

本書にはマインドフルネスに基づく行動方法、また価値設定や目標設定方法が書かれてるが、英語の本にありがちな実例の記述が多くて冗長的。

第1部、第2部3~7章を読めば十分。(その内容が上記の1)と2))

 

<目次>

第1部 なぜ幸福の罠を仕掛けてしまったのか(幸福の罠を支える四つの神話;なぜ悪循環が生まれるのか)

第2部 あなたの内面世界を変える(六つの基本行動原則;心は偉大なストーリーテラー;思考は単なる物語である―脱フュージョン ほか)

第3部 生きるに値する人生を創造する(心の奥底で望んでいること―価値;価値を見つけるための質問;価値が見つからない時は ほか)

 

ニューイヤー駅伝が箱根駅伝よりもメジャーになるために

母校がでているわけでも元陸上部でもなんでもないけど見てしまう箱根駅伝

今年の103分以上の差の逆転は、野球でいうと100、サッカーだと3-0からの逆転に近い。

しかしそれでもすべてのランナーは自分のような一般的市民ランナーから見れば異次元の速さ。

 

学生時代の全てにおいて自分を律して競技に注いだ賜物。

称えることはしても、誰も否定はできないだろう。

 

というか箱根駅伝の前日にある実業団のニューイヤー駅伝。こっちのほうがレベルが高いのにハコネとの注目度は雲泥の差。

理由はいくつかあると思うがひとつは「場所」ではないだろうか。

ハコネは東京都の大手町が起点。ニューイヤーは…群馬。なぜ、群馬。

 

ニューイヤー駅伝の会場を都内や横浜とかにすると、少なくとも群馬関係者よりも多くの人に身近に感じることができ、もっと注目度が上がると思うのだが。(例年であれば応援も行きやすいし)

 

【書籍】「やり抜く力 GRIT(グリット) - 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」

<所感>

新年に際して、再読。

才能よりも重要な能力、GRITことやり抜く力の重要性を説く。

 

ポイントはストレッチ目標を設定し、取り組むこと。

漫然とこなせることに時間や労力を費やすことは大事ではないことが理解できる。

これはランニングで例えると痛感。ただ心地よいジョグを繰り返してもタイムは向上しない。

 

その日々の練習の中に目標から算出したキツイと思えるメニューをすることの重要性が再確認できる。(そして、そんなメニューをこなせた後は何とも言えない満足感に浸ることができる)仕事であれば作業として業務をこなしてはならない、いかに付加価値を付けることができるかという姿勢が大事と理解することができる。

良書。

 

<内容>

1)「やり抜く力」とは?

ひとつの重要な目標に向かって、長年の努力を続けること。才能よりも重要なもの。

最上位の目標があり、そのための中位、下位の目標から成り立つ。

 

2)やり抜く力を伸ばす方法→内側から、外側から

①内側から

ポイントは意図的な練習をする。「1万時間成功法則」のような時間が全てではない。

やり方。ストレッチ目標(高めの目標)を設定→ストレッチ目標の達成を目指す→目標クリアのための試行錯誤の中で改善すべき点を把握して、繰り返す。

意図的な練習を。それは「大変!でも、楽しかった!」と言えるもの。

 

②外側から

最後までやり通すことを是とする。ただし辞めてもよい。それを自分で選ぶ。

子育てにおいては、親をまねるという子どもの本能を理解すること。

偉大なメンバーのいるチームに入る。

2020年の投資パフォーマンス

実質的に投資を始めたのは2012年だが、今年やっとNISAiDeCoを開始。

 

そんな2020年は3月に暴落があったが年初来107%で終了。

給与所得を収入源とするリーマンであり、ささやかに投資をする自分のような人間であれば、この結果は上出来。ポイントは暴落時に何もしなかったこと。あとは運。

 

コスト(主に信託報酬)を最小限にして、とにかくコツコツと積み立てる。来年もやることはこれだけ。。

 

【書籍】「正義の教室」飲茶

<所感>

マイケルサンデル先生もびっくりの良書。

「トロッコ問題」に代表される、正義とは何か?この問いに、3つの正義という判断基準を用いて、その違いを論じる。それが小説形式で理解しやすい。

 

3つの正義と主義とは?

平等の正義…功利主義、自由の正義…自由主義、宗教の正義…直観主義

 

正義を語るとき、人が気が付かないうちにこのいずれかの主義に立ち、主義が異なるとその思考は平行線をたどる。

大事なのはこの中で絶対的な正義は存在しないこと。ゆえに、正義を定義しないこと。この点を理解すること本書は語る。

 

再度の所感だがこれは良書。ただし、個人的にエピローグは嗜好に合わないのでそこだけマイナス。

 

P.S.

なお、自由主義リベラリズムリバタリアニズム等のスタンスがあり、日本でも自分はリベラリストと自称する方がいる。しかしそんな人は得てして反与党や反自国愛であるのはどうしてだろうか?きっと本来の自由主義の定義を理解していないに違いない。