<所感>
1981年発刊なので、30歳前後だった村上龍と村上春樹の対談集。
村上龍は「限りなく透明に近いブルー」と「コインロッカー・ベイビーズ」、村上春樹は「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」についての言及がメイン。
村上龍の「コインロッカー」の制作過程は興味深い。書き出しに試行錯誤して、いけると思った流れができればダーッと筆が滑ったと。
村上龍が苦悩する姿をここまで吐露するのは珍しい気がする。若さゆえなのか。
個人的には彼の歴史認識が含まれる作品は好きになれない。
本書では村上春樹が小学校の先生が民青っぽい人だったことが原体験としてあると言っており、それが原因なのかと感じた次第。なんとも教育の重要性を感じる。
願わくば、すっかり大作家になった二人に本書から半世紀の50年後に再対談をして欲しい。
そうすると絶版になって入手困難な本書も再版されるかもしれない。