投資と読書と平凡サラリーマンの私。

読書とランニングと投資を行う平凡な社会人のブログ

書籍

【書籍】「宇宙を解く唯一の科学熱力学」ポール・セン

「宇宙を解く唯一の科学熱力学」ポール・セン <所感> 理系の高校生または大学の学部1回生の副読本として推奨したい科学史の本。 とにかく、サイモン・シンの「宇宙創成」に通じる面白さ。 とにかく科学史という分野はもっと評価されて欲しい。学問の点と点…

【書籍】「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩 晃太郎

「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩 晃太郎 <所感> 英語力がゼロの文学部の大学生が水中考古学という学問に出会い、感銘を受ける。一念発起し、大学卒業後、アメリカに留学し10年かけて水中考古学者になるという内容。 20代から夢に向かって突っ…

【書籍】「ドストエフスキー 黒い言葉」亀山 郁夫

「ドストエフスキー 黒い言葉」亀山 郁夫 <所感> ドストエフスキーが読みたくなる。そんな本。 もう20年ほど前、ドストエフスキーの「カラーマゾフの兄弟」や「賭博者」にチャンレジをした。 当時は工藤精一郎訳の新潮文庫。 しかし見事に途中で断念。 ロ…

【書籍】「ランニング王国を生きる 」マイケル・クローリー

「ランニング王国を生きる 文化人類学者がエチオピアで走りながら考えたこと」マイケル・クローリー <所感> フルマラソン2時間20分というトップアスリート並みのランナーである文化人類学の大学の准教授がエチオピアランナーと一緒にトレーニングをしたフ…

【書籍】「安いニッポン 「価格」が示す停滞」中藤玲

「安いニッポン 「価格」が示す停滞」中藤玲 <所感> 結局のところデフレ。やっぱりデフレ。 1890年ごろ、夏目漱石が尋常中学の先生になったとき月給80円だった。 それから約120年後の平成31年度(2019年度)の中学教師の初任給は約20万円(地方公務員給与…

【書籍】「これはただの夏」燃え殻

「これはただの夏」燃え殻 <所感> テレビ制作会社勤務の40代半ばの独身男性のある夏から秋の物語。 ちょっと風が吹いて落ち葉が舞う。そのくらいに虚無感があり、何より切ない。 夏の小説=青春といった10代や20代にありがちなキラキラ感はない。 40代とは…

【書籍】「日本人が知らない「スーホーの白い馬」の真実」ミンガド・ボラグ

「日本人が知らない「スーホーの白い馬」の真実」ミンガド・ボラグ <所感> 「中国の北のほう モンゴルには 広い草原がひろがっています」 スーホーの白い馬といえば自宅に絵本があった物語。出だしは今も覚えている。 記憶がないが教科書にも掲載されてい…

【書籍】「雲の上へ 6日間でエベレスト2度登頂の偉業への道」キリアン・ジョルネ

「雲の上へ 6日間でエベレスト2度登頂の偉業への道」キリアン・ジョルネ <所感> キリアン・ジョルネ。1987年生まれの史上最高の山岳ランナー(トレイルランナー)。 トレランにおけるキリアンは、バスケットボールにおけるジョーダンのような存在。 また…

【書籍】「カラ売り屋vs仮想通貨」黒木亮

「カラ売り屋vs仮想通貨」黒木亮 <所感> ゴルゴ13を読めば世界情勢が分かると言われているが黒木亮作品を読めば経済やビジネスの動向がわかる。 自分の経験を踏まえても実ビジネスに近い内容で、業界の実態を知ることができる。 一言で言うと、純粋にた…

【書籍】「BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相」ジョン・キャリールー

「BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相」ジョン・キャリールー <所感> とにかくとにかくとにかく面白い。 血液検査ベンチャーバイオベンチャー「セレノス」。 それはスティーブジョブズにあこがれた女性創業者エリザベスが作り上げがた…

【書籍】「日本の神様の「家系図」」戸部民夫

「日本の神様の「家系図」」戸部民夫 <所感> 「古事記」を中心に日本の神々の系譜がまとめられた本。 各章では①該当する神々に関する神話の概要、②神々の紹介、③神々が祀る代表的神社の紹介で構成される。 正直、概要だけを読むだけでも面白い。 しかし一…

【書籍】「同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録」森功

「同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録」森功 <所感> 言葉:タブー 意味:ふれたり口に出したりしてはならないとされているもの。神聖または不浄な事物。 本来のタブーは主として神聖または不浄なものが対象。 しかしその他にも数多のタブーは存在…

【書籍】「東京大田区・弁当屋のすごい経営」菅原勇一郎

「日替わり弁当のみで年商70億円スタンフォード大学MBAの教材に 東京大田区・弁当屋のすごい経営」菅原勇一郎 <所感> 都内でよく目にする日替わりの弁当「玉子屋」の話。 2018年11月発刊。 数字で見る玉子屋は恐ろしい。 1個450円、1種類、原価率53%、廃…

【書籍】「最強のスポーツビジネス」池田純

*本書は2017年度に「ナンバー・スポーツビジネス・カレッジ」第一期で行われた講義が抜粋・再構成されたもの。 <所感> 印象的なのは井上康生の章。 「最強かつ最高選手の育成」という目的を掲げ、そのためには「柔よく剛を制す」ではなく「重剛一体」を掲…

【書籍】「米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成」江崎道朗 編訳

「米国共産党調書 外務省アメリカ局第一課作成」江崎道朗 編訳 <所感> 米国共産党がどのような層への工作を重視していたかを、戦前の外務省がまとめたレポート。 日本のインテリジェンスの高さが伺い知れる内容である一方で、その内容を活用できなかったと…

【書籍】「誰があなたを護るのか」原作:青山繫晴、作画:ヒロカネプロダクション

「誰があなたを護るのか - 不安の時代の皇」原作:青山繫晴、作画:ヒロカネプロダクション <所感> かつて出張でアブダビにいったときにドライバーと話をした。彼が何人か忘れたが、イスラム教信者であった。 会話の中で暦や歴史の話になった。イスラム教…

【書籍】「世界最古の日本国憲法」三山 秀昭

「世界最古の日本国憲法」三山 秀昭 <所感> 端的に言って良書。 本書は政治家でもまして憲法学者でもない人が書いたという点でよい。 著者は元政治記者であるが、派閥記者が永田町記者でもない印象を受ける。 そのために、憲法はこうあるという「べき論」…

【所感】「実力も運のうち 能力主義は正義か?」マイケル・サンデル

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」マイケル・サンデル <所感> 「努力と才能で、人は誰でも成功できる」という能力主義(メリトクラシー)。 一見その通りと思えるが、これは新しい階級制度となりうる。また能力主義の根底には「経済価値(稼ぎ)=そ…

【書籍】「総務省解体論」原英史

「総務省解体論 強すぎる権限が国家の機能不全を起こす」原英史 <所感> なぜ既得権益があるのか?それは誰かの利益になるから。 その利益が省益(省庁の利益。ほぼ天下り先の確保と同意)である場合、既得権益を無くすためにはその省庁がもつ権限を無くす…

【書籍】「ズッコケ三人組の卒業式」那須正幹

「ズッコケ三人組の卒業式」那須正幹 <所感> 21年7月、ズッコケ三人組シリーズの生みの親の那須正幹先生が亡くなった。 ズッコケシリーズは小学生時代にドハマりした作品である。 出会ってから発刊分をむさぼり読んで、年に2回の新作が楽しみだった。 しか…

【書籍】「哲学のモノサシ」西研(著)、川島易(絵)

「哲学のモノサシ」西研(著)、川島易(絵) <所感> 挿絵満載の哲学の本。絵本のような感覚で哲学に触れることができる良書。 ここでいう哲学は学問における「哲学」ではなく、その本質である。 Q哲学とは? Aある問いへの答えではなく、問いかけそのもの…

【書籍】「アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40」足立光、西口一希

「アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40」足立光、西口一希 <所感> P&Gの出身者がマーケティングを語る本。 マーケティング論のイロハというよりも実践を通じで学んだマーケティングの再定義の色合いが濃い。 ・最終顧客とのつながりが見…

【書籍】「働き方 完全無双」ひろゆき

「働き方 完全無双」ひろゆき <所感> 「そう言われるとそうだけど…でもそんな風にできたら苦労しないよ。」読了後の感想はこれにつきる。 しかし、一般的には語れない着眼点も多く、多面的思考の参考になる。 1.バッシングを恐れない バッシングされると他…

【書籍】「グレート・インフルエンザ -ウイルスに立ち向かった科学者たち」(上・下) 

「グレート・インフルエンザ -ウイルスに立ち向かった科学者たち」(上・下) ジョン バリー <所感> 「スペイン風邪」の猛威と当時の科学者の奮闘があますところなく分かる本。 重要なことはこれは1918年の話。スペイン風邪の犠牲者を考察するとき、当時の…

【書籍】「太平洋戦争 最後の証言(三部作)」門田隆将

「太平洋戦争 最後の証言(三部作)」門田隆将 第一部 零戦・特攻編 / 第二部 陸軍玉砕編 / 第三部 大和沈没編 <所感> 日本の歴史は「あの」戦争で戦前、戦後と分けられた。この犠牲者の多くは大正生まれだった。 徐々に大正生まれがいなくななり、当事者…

【書籍】「アフターデジタル2 UXと自由」藤井保文

「アフターデジタル2 UXと自由」藤井保文 <所感> 前作「アフターデジタル」でも感じたが、今後「メーカー」はどのように立ち振る舞うべきかを改めて考えざるをえない。 顧客接点はプラットフォーマーが握る。 メーカーもその立場になるべきか?(例えば、…

【書籍】「脳を鍛えるには運動しかない」ジョン J.レイティ

「脳を鍛えるには運動しかない」ジョン J.レイティ <所感> タイトルの通り。とにかく運動をしよう!というシンプルな内容。 運動にはこのような効果がある。まさに万能薬のよう。 →学習能力の向上、ストレスの緩和、不安の回避、鬱の治療、健全な老化等。…

【書籍】「アブダクション 仮説と発見の論理」米盛裕二

<所感> 演繹(deduction)、帰納(induction)に続く第三の推論であるアブダクション(abduction)をこれでもかと語りつくす本。 アブダクションの別名は遡及推論(リトロダクション、retroduction) リンゴの落下→万有引力の法則。この流れは帰納法では導か…

【書籍】「マンガでわかる地政学」茂木誠

「マンガでわかる地政学」茂木誠 <所感> 「地政学」とは地理的条件から国家の行動を説明する学問。 最近、耳にする言葉だが、これを知って世の中を見ると解像度は確実にあがる。 基本原理「国家の行動原理は生き残り」「隣国同士は対立する」「敵の敵は味…

【書籍】アナロジー思考 細谷功

「アナロジー思考」細谷功 <所感> アナロジーとは類推・類比の意味。 アナロジー思考とは「本質的構造を見抜くこと」「抽象化思考力」とほぼ同義。 それぞれの厳密な定義は違うだろうが、基本的には同じ意味である。 アナロジー思考のポイントは仮説的推論…